行動ファイナンス理論を知って株式投資での損失を避けよう、「ウォール街のランダム・ウォーカー」

株の本のイメージ株の勉強

経済学には、行動ファイナンス理論と呼ばれるものがある。

そして行動ファイナンス理論によると、一般的な投資家が株式市場で損失を大きくする行動パターンがあるとしている。そのパターンは、以下の4つである。

  • 自信過剰
  • 偏った判断
  • 群れの心理
  • 損失回避願望

そして、行動ファイナンス理論による損失行動を避けるためには、以下のことが重要であるとしている。

  • 不必要な短期売買を繰り返さない
  • 株式市場の下落場面で、むやみに持ち株を売らない
  • 株を売る場合は、値下がりした銘柄から

このことは、株式投資をする上で覚えておいて損はない。と、僕は思う。

行動ファイナンス

21世紀に入って、行動ファイナンスと呼ばれる新しい金融経済学というものが力を持ち始めた。

行動ファイナンスとよると、投資家は合理的な人間とは程遠い存在である。だからこそ、市場株価はあやふやなもので、株価が過剰反応することは例外的なことでなく、むしろいつもそうであると訴えている。

そして投資家の非合理な行動をもたらす原因として、以下の4つのパターンがあるとしている。

  • 自信過剰
  • 偏った判断
  • 群れの心理
  • 損失回避願望

この4つのパターンと対応策について、紹介していきたい。

自信過剰

認知心理学の研究結果では、人は「自分の信念や能力に対しする過信と、将来に対する過度な楽観主義」の傾向があるとされている。

この傾向を確かめる実験の1つに、多数の被験者に対して、平均的なドライバー、あるいは自分以外のすべてのドライバーと比較して「あなたな運転能力はどのレベルだと思いますか?」という質問がある。

車の運転能力は、運転技術の巧拙が非常に大きくかかわってくる。この質問に対する答えを見れば、被験者が他者との比較で自分の運転能力に対してどのような認識を持っているかどうかがわかるという。

この実験をある大学生を対象に行った場合、80%ないし90%の学生が、自分は他のクラスメイトと比べると運転が上手で、また事故を起こす確率は低いと答えている。

また、学生を対象にしたもう1つの実験として、被験者に彼ら自身とクラスメイトの将来性について聞くものがある。

この実験の結果を見ると、圧倒的多数が自分の将来はバラ色で、仕事では成功し、幸せな結婚をして、健康な一生を送れると答える。

一方、クラスメイトの将来となると、ほとんどの学生が彼らの多くはアルコール依存症になったり、病気で倒れたり、離婚されたり、その他諸々の不幸に見舞われる可能性があると、きわめて現実的な答えを書いている。

この自信過剰傾向と過度な楽観主義は、とりわけ投資家について顕著に見られるとある経済学者は言っている。

その証拠の1つに、多くの個人投資家は根拠なしに市場平均に勝てると強く信じている。そして、投機に走り、また不必要な短期売買を繰り返していると述べている。

ある大手ブローカーの個人投資家の売買記録を長期間にわたって分析したところ、売買頻度の多い投資家ほどパフォーマンスが悪いという結果も見受けられた。

偏った判断

心理学者たちは、個人投資家は何の根拠もないのに、自分たちは自体をしっかりコントロールできているという傾向があると指摘している。

そのことを証明するために、以下の1つの実験結果がある。

画面が上下に二分されているコンピュータ・スクリーンの前に、被験者たちを座らせる。画面上ではボールが中央の水平なラインを突き破って、自由に動き回っている。被験者にはボタンを押せばボールが上方に動く装置が渡されており、また時々ランダムにショックが与えられ、それによってボールが突き動かされると説明されている。その環境下で、ボールをなるべく長時間、水平ラインの上半分のスペースにとどめるように求められるのだ。

ある実験では、被験者の持つ装置は見せかけで、ボールの動きをコントロールする力は与えれていなかった。にもかかわらず、実験が終わった後の面談では、ほとんどの被験者は「かなりうまくボールの動きをコントロールできたと思う」と答えたのだ(ちなみに、このダマシの実験に惑わされなかった被験者は全員重症のうつ病患者だった)。

「ウォール街のランダム・ウォーカー」より引用

上記のように、人はある程度結果を左右できるという幻想に取りつかれることがある。

そして、その幻想がありもしない株価トレンドや、将来の株価を予測する株価パターンを信じるようになる。

実際、何とか過去の株価データから将来を予測できる可能性を探るために多大な努力がなされてきたにもかかわらず、時間軸の上での株価の動きはきまめてランダムで、将来の株価は基本的に過去とは無関係である研究結果を無視するのである。

群れの心理

多くの研究結果によると、一般にグループとしての判断のほうが、一人一人の判断より優れていることが多い。より多くの情報が共有され、より多面的な見方が考慮に入れられ、より多くの人が議論に参加するほどよりよい判断に導かれるからだ。

だが、市場ではこの通りにならないことがある。17世紀オランダのチューリップ・バブルや、戦後最大と呼ばれる日本の株価・地価バブルを見れば、その通りだ。

17世紀オランダのチューリップ・バブルの詳細は、以下を参照して欲しい。コール・オプションを使った取引で、チューリップの球根の価格がどんどん上がっていく様子を知ることが出来るだろう。

戦後最大と呼ばれる日本の株価・地価バブルの詳細は、以下を参照して欲しい。皇居とその周りの土地の評価額だけで、カルフォルニア州全体を買うこともできたという驚きの時代を知ることが出来るだろう。

株式市場での集団行動の結果は、個人投資家に壊滅的な打撃をもたらすことになる。

個人投資家の行動を分析していみると、投資家は熱狂的ブームで相場がピークにさしかかる頃に、本格的に投資信託を購入する傾向が強いからだ。

例えば、2000年3月までの1年間に株式投信に対して新規に流入した金額は、それ以前のどの1年間より大きかった。

そして、バブル崩壊後の相場の暴落が大底を迎えつつあった2002年および2008年の秋には、逆に個人投資家は大量の投げ売りをして、資金回収に回っていた。

この売買タイミングの選択の間違いにより、平均的な個人投資家が手にするリターンは、市場インデックス・ファンドをずっと保有していた場合に比べて5%は低くなっていると言われている。

損失回避願望

人は、通常は損失のほうが利益よりも遥かに望ましくないものと意識している。そのことの証明として、以下の実験がある。

偏りのないコインを投げて表が出れば100ドルもらえるが、裏が出れば逆に100ドル取られるとしよう。この賭けをやってみるかと聞かれると、繰り返しやればトントンになるとわかっていても、ほとんどの人は「ノー」と言う。

そこで、表が出た時の利益をいくらに引き上げれば皆がこの賭けをやってもいいと思うのか実験を重ねてみた。

その結果、平均的には表が出た時の利益を250ドルにしないと、この賭けは成立しないことがわかった。

これを踏まえて、この実験では、平均的な投資期にとって損失は同額の利益に比べると2.5倍も望ましくないと結論付けている。

この損失回避願望により、間違った選択をするとある学者は述べている。

個人投資家の多くは、値上がりした銘柄を処分し、値下がりした銘柄を持ち続けるという行動をする。

しかし、こうした損失回避行動は、合理的な投資理論の下では明らかに最適な選択ではないと「ウォール街のランダム・ウォーカー」では言っている。

値下がり銘柄を処分すれば、それが非課税口座でない限りキャピタルゲインが発生する。一方、値下がり銘柄を処分する場合はキャピタルゲインは発生せず、またある範囲では他の銘柄の値上がり益と相殺できる。

仮に値下がりしている銘柄が近い将来値上がりする可能性が大きい場合でも、とりあえす処分して損失を出し、値上がりの期待できる同様なリスクカテゴリーの他の銘柄を購入すればいいだけであると述べている。

最後に

世の中には、悲観主義と楽観主義というものがある。

受験に限って言えば、観主義で臨む方が良いと教育系の漫画「ドラゴン桜」では述べている。「受験まであと5カ月しかない」と思うのと「受験までまだ5カ月もある」と思うのでは、心理的なプレッシャーが格段に変わってくるだ。

株式投資に挑むには、「悲観主義」と「楽観主義」のどちらで臨むのが良いのだろうか?ある時は「楽観主義」で、ある時は「悲観主義」で臨むのがベストだと、僕は思う。

だが行動ファイナンス理論を知ると、そうした主義すら押し殺す必要があるのではないのか。そして、何も考えずにインデックス・ファンドに投資をする、これこそがベストの回答のような気がする。

今回、アメリカの経済学者であるバートン・マルキールがその著書である「ウォール街のランダム・ウォーカー」で、『行動ファイナンス』について分かり易く解説してくれてた。ので、その内容を自分なり解釈して紹介してみた。

また、前回の記事で「ウォール街のランダム・ウォーカー」より「株式投資のリスクとリターンを学術的に知ろう」という内容を紹介している。興味があれば、そちらも参照して欲しい。

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