株を買うことは企業のパーシャル・オーナーになること、ウォーレン・バフェットの投資に学ぶ「マネーマスターズ列伝」のススメ

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前回、「マネーマスターズ列伝」より「T・ロウ・プライス」を紹介した。

今回は、世界最大の投資持株会社であるバークシャー・ハサウェイの筆頭株主であり「オハマの賢人」と呼ばれる伝説の投資家である「ウォーレン・バフェット」について紹介したい。

難攻不落の濠

バフェットは世の中の企業に対して、以下の見解を持っている。

金を払って投資するに値するきわめて少数の一流企業と、長期に保有するだけの魅力のない膨大の数の二、三流企業から成っている

「マネーマスターズ列伝」より引用

バフェットによれば一流企業とは、値下げや利益の先送りを武器に競争会社が攻め込もうとしても攻め入れない大きな「濠」に守られている企業のことを指している。この大きな「濠」のことをバフェットは、ビジネス・フランチャイズ(営業上の特権的な強み)と呼んでおり、ビジネス・フランチャイズを持っていない企業は一流企業ではないとしている。

また、ビジネス・フランチャイズを持つ企業の強さについて、バフェットは以下の例を用いて説明している。

企業フランチャイズの試金石は、大金を持った頭のいい男からの攻勢に対して、その企業がどれだけの抵抗力を示しうるかにある。仮に十億ドルを与えられれば、全米の経営者トップ五十人を引き抜いて、産業界とジャーナリズムの両方をたやすく骨抜きにできる。しかし、もし同じ金額でウォールストリート・ジャーナルを潰してくれと頼まれたら、私は十億ドルを返上しますね。残念ながらお返しします。企業の真価は、競争相手からどれだけ傷を受けずに済むかによって決まります。利益率に全く無頓着な競争相手からもね。

「マネーマスターズ列伝」より引用

バフェットのいう一流企業は、実体価値以上の値段で売買されているのが普通である。だが、ごくまれに景気や相場の見通しが悪いため、すばらしい一流企業が誰からも見捨てられ、とても安い値段で売買されるときがある。そんな時に思い切って大胆に投資するのがバフェットの投資哲学である。

投資家として成功するには

投資家として成功する条件として、バフェットは以下の6つの資質を挙げている。

①抑制のきいた貪欲さによっていつも心が活発に動いていること。投資の面白さに魅せられていること。
②辛抱強いこと。
③他人の意見に左右されずに、自分で考えること。
④十分な知識によって心の冷静と自信を身につけること。せっかちも頑固もいけない。
⑤知らないことは知らないといえる素直さを持つこと。
⑥どんなタイプの会社を買うかについては柔軟性を持って臨むこと。ただし、その銘柄の値打ち以上の値段では決して買わないこと。

「マネーマスターズ列伝」より引用

どの項目も投資家として成功する条件として、大切なものである。

「②辛抱強いこと」については、「たとえ向こう十年間、証券取引所が閉鎖されてもかまわない」という銘柄でなければ買うべきでないと、バフェットは繰り返し強く語っている。

そして「④十分な知識によって心の冷静と自信を身につけること。せっかちも頑固もいけない」では、十分な知識とそれに基づくしっかりとした自信がなければ、相場の底で恐怖感に襲われ底値をたたいて逃げ出してしまうはめになると言っている。百万ドル出して手に入れたばかりの家を、八十万ドルで買い手があれば即刻売りたいと、同じ不動産業者に頼んでいる愚かな投資家のようになってしまうと語っている。

また、投資対象として素晴らしい会社とはどのような特徴があるのだろうか?バフェットは以下の11点を挙げているので紹介したい。

①資本利益率が高いこと
②事業が誰にもよく理解できること。
③利益はいつでも現金化できる状況にあること。
④強力な「フランチャイズ」を備えており、プライスリーダーの立場にあること。
⑤天才でなくても十分経営可能な事業であること。
⑥利益の予測をつけやすいこと。
⑦政府の規制を受けにくい事業であること。
⑧在庫水準が低く、資産の回転率が高いこと。
⑨経営陣が株主に顔を向けていること。
⑩棚卸資産と有形固定資産の合計に対する利益率が高いこと。
⑪最高の会社とは、自らの資本を最小に抑え、他の会社の成長を利用できる会社である。

「マネーマスターズ列伝」より引用

投資家として成功するための6つの資質と、素晴らしい会社の11の条件。これを組み合わせて投資することで、大きな成果を得ることが出来る。

避けたほうがよい企業

バフェットは、避けたほうがよい企業・業種として以下の4つ挙げている。

①小売業
②のるかそるか型の企業
③農業関連企業
④研究開発への依存度が高い企業

「マネーマスターズ列伝」より引用

「①小売業」について、バフェットは百貨店などの小売業に投資して何度か損を出したことがある。そのさいに小売店のなかには、毎年よい業績を出しているのに、ある日突然大きな損失を出す企業があるということを理解した。そして小売業に対しては、企業の業績を調べたり、経営状況を詳しく観察するだけでは十分ではなく、業界の動きを的確に理解する特殊な勘が必要であることを学んだ。

「②のるかそるか型の企業」については、航空機メーカーを例に挙げている。この種の会社は、生き残るためには前者の命運を駆けるという事態がときどき起こると言っている。

「③農業関連企業」については、在庫サイクルが非常に長く農家は収穫時まで現金化出来ない弱点があると述べている。

「④研究開発への依存度が高い企業」については、他社より優勢な状況を維持するのに多額のお金が必要になる企業は、弱さの証拠であって強さではないと述べている。

パーシャル・オーナー

バフェットは、株を買うということは持ち分比率に応じて企業を所有するパーシャル・オーナーになることであると述べている。そして、バフェットは投資をする前にいつも以下の自問をしている。

この会社を丸ごと買うとしたら、自分ならいくら払うだろうか。それを前提にすれば、会社の1%だけ、あるいは10%だけ買うにはいくらかかるか

「マネーマスターズ列伝」より引用

一般的な投資家が、バフェットの投資技法から学ぶことは非常に多い。もし、バフェットに興味が湧いたなら「マネーマスターズ列伝」以外にも、バフェットの公認伝記である「スノーボール」や、漫画でバフェットの成功の秘密を教えてくれる「マンガ ウォーレン・バフェット 世界一おもしろい投資家の世界一もうかる成功のルール」を読むことをオススメする。

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