株式投資のリスクを低くするために分散投資を知ろう、「ウォール街のランダム・ウォーカー」

株の本のイメージ株の勉強

システム開発の仕事をしていたとき、「どんなリスクがあるの?」と顧客から質問を受けた。「うちの会社がシステム開発を請負うことが一番のリスクです」と、つい答えそうになった記憶がある。

どの業界でもリスクというものはある。そして、出来るだけリスクを避けるようとする。リスクとはそういものだ。

株式投資もこれと同じで、リスクを出来るだけ避けようとする。その方法の一つとして、「分散投資」という戦略がある。

アメリカの経済学者で「ウォール街のランダム・ウォーカー」の著者であるバートン・マルキールも、分散投資の有効性を説いている。ので、今日はその内容を紹介したい。

リスクと分散投資

投資のリスクとは何なのか?「ウォール街のランダム・ウォーカー」では、以下のように述べている。

投資のリスクとは、具体的には証券(債券や株式)の期待したリターンが実現しない可能性であり、特に値下がりの可能性の大きさであると言える。

「ウォール街のランダム・ウォーカー」より引用

株式投資のリターンを長期的に見た場合、長期社債や財務省証券・消費者物価の年間上昇率で測ったインフレ率を大きく上回る成績を残している。

ただし、一年毎の区切りで株式投資の年間リターンを見た場合、その成績のバラツキは非常に大きい。50%以上のプラスを生み出した年もあれば、それと同じくらいのマイナスを生み出した年もある。

この長期的にはインフレ率を上回る成績を残すのだが、短期的には50%以上の大きなマイナスを生み出す株式投資。

この株式投資でリスクを減らすということはどういうことなのか?「ウォール街のランダム・ウォーカー」風に言えば、以下の通りとなる。

「リターン(インフレ率を上回る成績)の目標が与えられたときに、そのリターンを犠牲にせずにリスク(50%以上のマイナス)を低下させること」

この方法として、生み出されたのが「分散投資」という戦略である。

分散投資とそのメリット

分散投資とその効果について、「ウォール街のランダム・ウォーカー」で大変分かりやすい説明があったので紹介したい。

たった二つしか会社がない離れ小島があったしよう。

一つは、ビーチやゴルフコースを経営するリゾート企業。もう一つは、傘のメーカーである。両社ともその業績は天候に大きく左右され、季節別の両社の株式投資のリターンは以下の通りである。

  • リゾート企業…(晴れの季節: 50%、雨の季節:-25%)
  • 傘のメーカー…(晴れの季節:-25%、雨の季節: 50%)

平均して、一年の半分は晴れて、半分は雨が降る。この場合、あなたが2ドル持っているとしたら、どのように投資すればリスクが低い投資になるのだろうか?

傘メーカーの株式を買った投資家は、一年の半分は投資額の50%のリターンを上げ、残る半分は25%の損をする。そのため、この投資家の平均リターンは12.5%となる。同様に、リゾート企業の株式を買った投資家も同様の結果となる。

実際には、ある年は晴ればかり、ある年には雨ばかり続くということもありうるので、どちらの事業の投資もかなりのリスクを伴う投資と言えるだろう。

だが、投資家が「1ドルをリゾート企業、1ドルを傘メーカー」といった具合に持っている2ドルを分散投資したしよう。

晴れた季節にはリゾート投資の1ドルは50セントのリターンを生み、傘メーカーの投資1ドルは25セントの損となる。この場合の投資家の利益は、25セント(50セント-25セント)となる。

これは、投資総額2ドルに対して12.5%のリターンとなる。

雨の季節に関しても、リゾート企業と傘メーカーの収益が入れ替わるだけで、全く同じことが起こる。

天気がどうなろうと、両社に投資を分散させることで、投資家が毎年確実に12.5%のリターンを上げることが出来る。

分散投資とメリットの実例

上記で、分散投資とそのメリットについて「たった二つしか会社がない離れ小島」の例を使って説明した。だが、この説明は少し極端な話でもある。

なので、もう少し具体的なモノと過去の実績と使って説明したい。

最近、S&P500というアメリカ株のインデックス・ファンドが人気である。S&P500のインデックス・ファンドに投資していると言って、何をバカなことをやっているのと言う人はほんとどいない。

だが過去の実績を見ると、1970年~2017年の間では、S&P500だけに投資するよりかは『S&P500:82%、外国株式(EAFE):18%』という割合で投資した方が、より低いリスクでより高いリターンを生み出している。

また、S&P500は2000年代最初の10年間はマイナスのリターンであった。が、同期間に新興国株式に幅広く分散投資するインデックス・ファンドに投資した場合は、申し分のない高いリターンを生み出している。

このように「失われた10年」においてすら、S&P500よりも幅広い分散投資を選んだ投資家にとっては、その恩恵は非常に大きかったと「ウォール街のランダム・ウォーカー」では述べている。

最後に

「黄金の扱いに秀でた者の助言に熱心に耳をかたむける持ち主からは、黄金が離れることはないだろう」

これは、古代のバビロンを舞台とした寓話である「バビロン大富豪の教え」の本の中にある言葉だ。

今回、「ウォール街のランダム・ウォーカー」より分散投資とそのメリットについて説明した。だが、この分散投資とそのメリットについては、科学的・学術的に100%その理論が正しいと認められた訳ではないものだ。

だからと言って、その内容を無視して良いと思うほどヤワな話でもない。

少なくとも「ウォール街のランダム・ウォーカー」の著者であるバートン・マルキールは、黄金の扱いに秀でた者だと僕は思っている。

「お金持ちになりたければ、黄金の扱いに秀でた者の助言を聞け」と古代のバビロニア王国の賢人も言っている。だからこそ、一聴する価値は十分にあると思う。

また、前回の記事で「ウォール街のランダム・ウォーカー」より「株式投資でファンダメンタル分析は有効なのか?」という内容を紹介している。興味があれば、そちらも参照して欲しい。

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