「ドラッカーと会計の話をしよう」より、株式投資と利益の問題点について学ぼう

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「マネジメントの父と呼ばれる『ドラッカー』」「株式投資をする上で必要な知識としての『会計』」本のタイトルに僕が興味のある単語が含まれていたので、つい買ってしまったのが「ドラッカーと会計の話をしよう」だ。

本の内容として、「経営の神様ドラッガーの名言から経営難のイタリアンを立て直す」とういうのを物語形式で紹介しており、ドラッカーが考える「会計の神髄」を学ぶことが出来る。

この本には経営に役立つ知識が多く描かれているが、株式投資する上でも十分役立つ知識を学ぶことが出来る。今日は、その内容の1部を紹介したい。

利益の危険性

どの会社に投資しようかと考えているときに、財務諸表の利益に着目して判断する人は多いだろう。

だが、ここでいう利益には問題点が含まれている。その問題点を「ドラッカーと会計の話をしよう」では、このように紹介している。

会社の業績を判断するのにボクらは1年とか1カ月に切り分けて期間ごとの利益を計算している。だが、こうして計算される「期間利益」は実は信頼するにはあまりに危うい・・

「ドラッカーと会計の話をしよう」より引用

危うい理由は、財務諸表に表されいる利益は商売の実態に合っていない見せかけの利益になっている可能性があるからだ。

「仮払いの生産を次の期に回す」「減価償却を少なめに計算する」「在庫金額を水増しする」そうして手法で、短期間だけ良く見せられた利益をもとに投資の判断を下してしまうと結果は悲惨なものとなってしまう可能性は高い。

企業の本当の商売の実態を知りたければ、短期間の利益だけに着目するのではなく、少なくても過去数年間の会計期間の利益に着目し投資の判断を下すべきだ。

とは言え、こうした小手先で利益を操作する会社には最初から投資するべきでない。

それを見抜くポイントはかなり難しいが、僕は出来るだけ負債の多い会社に投資しないようにしている。人は借金が多いと悪いことに手を染めやすい、企業もそれと同じで負債が多いと悪いことに手を染めやすいのではないかと考えているからだ。

日進工具(6157)

僕が保有している銘柄に「日進工具」がある。2013年頃に「日進工具」を1株:224円で購入し、現時点(2021/9/2)で1株:1,398円と約6倍以上の評価益を叩き出している。

日進工具の株価チャート

 

この「日進工具」は、有利子負債は0円で無借金の企業である。それに加えて、ここ数年は自己資本比率が80%越えをキープしており、流動資産である現金預金が負債額を大きく超えている状態だ。

たまたま負債の少ない会社に投資した成功例かもしれない。それでも、 「日進工具」 への投資は負債の多い企業への投資に比べて安心感がある。

それに、世界最大の投資持株会社であるバークシャー・ハサウェイの筆頭株主であり株式投資の神様と呼ばれる「ウォーレン・バフェット」は、借金について以下のことを述べている。

バフェットはレバレッジを嫌い、賛否がある中で、こう断定している。
「市場環境が悪化した場合、レバレッジは裏目に出る。その結果、それまでの立派な運用リターンが雲散霧消し、株主資本を破壊する」

「1分間バフェット お金の本質を解き明かす88の原則」より引用

また、バフェットは優良企業を探す条件として、長期借入金の項目を非常に重視している。

なぜなら「永続的競争優位性を持つビジネスは、多くの場合、貸借対照表上の長期借入金が少額もしくはゼロである」という事実を見つけ出したからだ。

またバフェットは、優良企業は膨大な利益をあげているため、事業拡大や企業買収を自己資金でまかなうことができる。そのため、巨額の借入れを行う必要性などまったくないとも述べている。

借金が全て悪いとは言わない。だが、投資をするなら負債の少ない会社の方が良いのではないだろうか?

「日進工具」は負債が少なく、多少の市場環境が悪化でも持ちこたえらえる体力がある。それに、人は借金が多いと悪いことに手を染めやすいように、企業もそれと同じで負債が多いと悪いことに手を染めやすいという不用意な心配も少なくなる。

僕にとって負債の少ない 「日進工具」 への投資は、負債の多い会社の投資に比べて精神的な安定感は段違いで、今のところ好パフォーマンスを残してくれている。とても、愛らしいものである。

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