バリュー株や小型株は市場平均を超す成績を残せるのか、「ウォール街のランダム・ウォーカー」

株の本のイメージ株の勉強

出来るだけ大きなリスクを取らずに、市場平均、いわゆるインデックス・ファンドを超す成績を残したい。その場合はどのようにすれば良いのか?

バリュー株や小型株への投資が、その答えとなるだろう。色々な研究結果からも、バリュー株や小型株への投資は、妥当なリスクで市場平均を超すリターンを生み出せる可能性が高いと投資だと言われている。

このことについて、アメリカの経済学者であるバートン・マルキールがその著書である「ウォール街のランダム・ウォーカー」でも、バリュー株や小型株投資の効果に関して語られている。ので、今日はその内容を紹介したい。

市場平均を超す成績を残すには

最近では、低コストのインデックス・ファンドに勝つことは出来ないと考える投資家が増えてきている。

しかし、中にはインデックス・ファンドに打ち勝つためにポートフォリオの回転率を低く抑えてパッシブ気味に運用しつつ、プラスの超過リターンを上がると言う人もいる。

例えば、バリュー株投資がそれにあたるだろう。バリュー株とは、低いPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)の株である。

この「バリュー株」を保有すれば、最後には報われると主張するのがバリュー株投資家の言い分だ。では、実際に低いPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)の株を保有した場合の成績はどうだったのかを、過去のデータから確認してみたい。

バリュー株の成績

「ウォール街のランダム・ウォーカー」では、低PER銘柄の成績について以下のように述べている。

PERが低い順に同じ銘柄数のファンドを10個作り、1967年から毎年組み替えた結果を示している。PERが最も低い銘柄を組み入れたポートフォリオの年平均リターンは16%強で、PERが高くなるにつれてリターンは低下し、最も高いPERグループは7%弱に終わっている。

「ウォール街のランダム・ウォーカー」より引用

また、このことは低PBR銘柄でも同じ傾向が見られた。低PBR銘柄を安定保有することで、市場平均以上のリターンを生み出すことが確認できたのだ。

しかも、低PER効果は単にアメリカ市場にとどまらず、多くの外国市場でも有効であったと「ウォール街のランダム・ウォーカー」では語っている。

小型株の効果

バリュー株以外にも、株式市場であるパターンを見つけ出した研究がある。そのパターンとは、非常に長期で見ると「小型株」のリターンが「大型株」のリターンを上回る傾向が強いということだ。

ある研究結果によると、小型株の1926年以来の長期平均リターンは、大型株を年率2%上回っていたという。

しかし、こうした研究結果があるにもかかわらず「ウォール街のランダム・ウォーカー」では以下の忠告をしている。

小型株は大型株に比べるとリスクが高いということを忘れたはいけない。したがって、小型株のリターンが結果的に高いのは当然と言える。今後も先述のようないわゆる小型株効果は持続するとしても、それは市場が効率的でないことを意味するものではない。小型株グループが高いリターンをもたらしたとしても、それは単に投資家が負担した小型株特有のリスクに対する当然の報酬なのかもしれない。その上でいくつかの研究で確認された小型株効果は、単に「生存者バイアス」の結果かもしれない。

「ウォール街のランダム・ウォーカー」より引用

投資家が取るべき道

どの投資商品にも言えることだが、投資商品というのは購入したときの相場状況が非常に重要である。

例えばバリュー株に特化したファンドは、インターネットバブルの崩壊局面で、大幅に割高に評価されていたハイテク・テクノロジー株が暴落した結果、異例の高パフォーマンスを上げることができたのだ。

また、小型株に特化したファンドは、大型株に比べて割安に放置されていた時を起点に計測すると、非常に好成績をあげたようにも見ることが出来る。

株式市場で言えることが一つある。それは、ある時期に非常に好成績をあげて注目を集めた運用戦略は、それが広く知られるとだめになることが多いということだ。

このことは、優れたリターンが取ったリスクに対する正当な報酬ではなく、市場の一時的なきまぐれによる過大評価の結果にすぎない時は、特に要注意である。と、「ウォール街のランダム・ウォーカー」では述べている。

そのことを前提に、投資家はどのように対応すれば良いのか?「ウォール街のランダム・ウォーカー」では、以下のように語っている。

少し冒険してみたい投資家は、資産の中心部分は市場インデックス・ファンドで運用したうえでチャレンジするのがいいだろう。その場合には、単一のファクターに賭けたファンドではなく、経費率の低いマルチ・ファクター・ファンドを選ぶことをお勧めしたい。

「ウォール街のランダム・ウォーカー」より引用

最後に

数々の伝説的なファンド・マネージャー達は、市場平均を大きく上回る成績を残してきた。

高配当で割安株狙い「バリュー」志向のバーゲンハンターの『ジョン・ネフ』や、小型株ひとすじでバフェットが認めた人物である『フィリップ・キャレー』はそのうちの一人であろう。

『ジョン・ネフ』について興味がある方は、以下を参照して欲しい。「低PERシューター」と呼ばれた『ジョン・ネフ』の投資方法を知ることが出来るだろう。

『フィリップ・キャレー』について興味がある方は、以下を参照して欲しい。55年間という長い運用期間で、年率13%の成績を残すことが出来た『フィリップ・キャレー』の投資原則を知ることが出来るだろう。

しかし、こうした伝説的なファンド・マネージャーの投資戦略は「ウォール街のランダム・ウォーカー」で述べられているように、世間に広く知られてしまいインデックス・ファンドを超す成績を残すことが出来なくなってきているのかも知れない。

また、前回の記事で「ウォール街のランダム・ウォーカー」より「行動ファイナンス理論を知って株式投資での損失を避けよう」という内容を紹介している。興味があれば、そちらも参照して欲しい。

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