成長株グローバル投資のパイオニア、ジョン・テンプルトンの投資に学ぶ「マネーマスターズ列伝」のススメ

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前回、「マネーマスターズ列伝」より「ウォーレン・バフェット」を紹介した。

今回は、あるマネー誌で「間違いなく今世紀最も偉大な投資家である」と評されたこともある成長株グローバル投資のパイオニア「ジョン・テンプルトン」について紹介したい。

市場から見放された銘柄

テンプルトンが若かりし頃に、第二次世界大戦時の株取引で大儲けしたことがある。

第二次世界大戦がはじまったとき、テンプルトンは、それまで十年間も続いていた株価不振が今こそ終わり、これからすべての株が活況を呈するだろうと確信した。そして特に市場から見放された銘柄こそがシンデレラのように大変身するだろうと考えたのである。ある日、証券会社に立ち寄り、上場株式のうちで値段が一ドル未満の銘柄を残らず、百株ずつ買ってほしいと注文を出した。その結果、彼は一万ドルで百四銘柄のボロ株を手にしたのである。四年後にこれらをすべて売り払ったとき、テンプルトンの懐には約四万ドルがころがり込んできた。

「マネーマスターズ列伝」より引用

この経験からテンプルトンは”戦争のニュースでは決して株を売らないこと”と同時に、「見捨てられていた銘柄を買う」ことが株式投資の取引で成功するパターンであること。そして「見捨てられていた銘柄」は割安な状態で取引されていることが多く、時間が経てば(※第二次世界大戦時の取引では4年間)割安株は一般に認められて正当な価格に評価されることを学んだ。

最良の割安株

テンプルトンは、最良の割安株について以下のことを述べている。

最良の割安株とは、人々からまったく無視されている株式で、自分以外の投資家たちが調べてみようとすら思わない株式の中にあるものだ。

「マネーマスターズ列伝」より引用

テンプルトンは、大型でよく知られた銘柄、信託会社の人々が「優良株」と呼んでいるような銘柄にはまったく興味を示さなかった。そうした株よりかは、小型であっても基礎がしっかりしていて特色のある高収益企業でPERが低い小型株に積極的に投資した。

規模が巨大でも中身は二流で、労働組合の力が強く、政府の規制下にある基幹産業の会社は、誰もが知っているから株価が高いだけである。そんな大型株よりかは、しっかりとした小型株のほうが安全性が高くリターンが大きいとテンプルトンは言っている。

国際投資

小型で、割安で、急速に成長している会社があるならば、テンプルトンはアメリカ市場でなくても積極的に投資した。

当時セーフウェイ(アメリカのスーパーマーケット・チェーン)のPERは約8倍であり、15%くらいの成長を維持するものとみられていたが、イトーヨーカ堂は日本では第2位のスーパーマーケット・チェーンだが、経営の質では最高であり、PERは10倍、年率30%の成長企業であった。

「マネーマスターズ列伝」より引用

1960年代の日本市場は、世界的な注目はとても低かった。だが、テンプルトンは小型で、割安で、急速に成長している会社があるならば、アメリカ市場にこだわることなく積極的に海外市場に投資して成功を収めた。

またテンプルトンが海外の国に投資する際に、避けるべき国の条件がある。それは「社会主義」と「インフレの支配下」にある国だ。両方の条件に見舞われている国もあるが、とにかくどちらも成長を抑制されてしまうので、投資するべきでない国だとテンプルトンは述べている。

まとめ

テンプルトンは、市場から見放された銘柄にこそ割安株は存在し、そうした株を購入することが成功の秘訣だと考えている。このことの例として、ある有名な書籍収集家の話がある。

古書業者を相手にうまくやる方法は、「いま要らない本があったら見せてくれないか」と持ちかけることである。そういった類の本はだいたい地下の倉庫で埃をかぶっているものだが、その中に本当に価値のあるものがあれば、通りがかりの人が買えそうな限度まで強引につり上げた値段を付けてウインドーに飾られている「特別品」などとは比べものにならないほど素晴らしいお買い得品となる。

「マネーマスターズ列伝」より引用

株式についても、書籍収集家の話と同じことがいえる。ある銘柄の人気が地におちて買い手がまったくつかない。そういった銘柄の中から、本当に価値のあるもの見つけることが出来れば、素晴らしいお買い得品となるのだ。

もし、ジョン・テンプルトンに興味が湧いたなら「マネーマスターズ列伝」以外にも、テンプルトンの投資原則と技法が深く書かれている「テンプルトン卿の流儀」を読むことをオススメする。

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