小型株ひとすじでバフェットが認めた人物、フィリップ・キャレーの投資に学ぶ「マネーマスターズ列伝」のススメ

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前回、「マネーマスターズ列伝」より「ジム・ロジャーズ」を紹介した。

今回は、小型株ひとすじでバフェットが認めた人物の「フィリップ・キャレー」について紹介したい。

パイオニア・ファンド

キャレーが「パイオニア・ファンド」を始めたのが1928年、そしてこのファンドを55年間運用した。その成果は年率複利の総合利回りで13%、つまり、ファンドのスタート時に1万ドル出資し配当金はすべて再投資に充てたとすれば、キャレーが運用から手を引いた時点までにこの投資は800万ドル以上に増えた勘定となる。

年率13%という実績は今日のレベルでは決して突き抜けた成績ではない。だが、当時の物価上昇率、また大恐慌で物価が大幅に下落したことを考えれば、キャレーが残した年率13%というのは文句なしの成果である。

株の選び方

キャレーが株を選ぶ上で、以下のことを述べている。

世間一般の人は、GMやIBMを買っていれば慎重だと考えているが、それは間違いだ。たしかに、ぼくは型破りの銘柄ばかり買っているが、実はそういった銘柄のほうがニューヨーク上場株より人為的な操作が少ないし、群衆心理の影響も少ないんだな。たとえば上場株のウィニベイゴー・コーマチン・インダストリーズや一連のレクリエーション・カーの株そうだったね。アメリカ人の半分が家を捨てて国じゅう乗り回しているとでも考えなきゃあの高値は説明できないよ。ぼくのポートフォリオにはいつも不人気な二流株がいくらか入っているんだ。だが損をするのはたいていコンセプト銘柄(一時的に流行するニュービジネス株)に手を出したときだね。あの手の株はめったに儲からないのは分かっているんだが

「マネーマスターズ列伝」より引用

また、キャレーは株を選ぶときはバランスシートを相当重く見るほうだ。自己資本比率や流動比率が低いと分かれば、アニュアルレポートを読むのを辞めてしまう。また、中長期借り入れがある会社に対しては投資しない。そして、流動比率が2対1である会社が最低の投資ラインとしている。

キャレーはバフェットの先輩格と言える人物である。両人とも「価値」志向の投資家であり、水道会社とか橋梁会社などといった地味な株が好きであり、何年間塩漬けになろうがまったく気にしなかった。そして、価値志向の投資家として成功するのに必要な辛抱強さを備えていた。キャレーはバフェットは長年に渡り、互いのアイデアを交換し合うほどの仲であった。

投資の原則

最後に、投資に関してキャレーは以下の12の戒律を決めているので紹介したい。

①最低限、五業種十銘柄に分散投資せよ。
②最低、半年に一度は持ち株の一つを洗い直せ。
③最低、ファンドの半分はインカムを生む証券に投資せよ。
④株式分析では利回りは最下位条件とせよ。
⑤損切りは早めに、利食いは慌てずに。
⑥詳しい企業情報が手軽かつ定期的に入手できないような銘柄の組み入れはファンドの四分の一以下に抑えること。
⑦「インサイド情報」に頼るのは疫病と同様、避けること。
⑧事実だけを一生懸命追求すること。他人のアドバイスは求めないこと。
⑨証券分析では、機械的な公式には頼らないこと。
⑩高い相場水準、金利上昇、景気好調時には、最低でもファンドの半分は短期債券で運用せよ。
⑪借金はほどほどに。それも相場低迷、金利低下、景気沈滞のときだけに限ること。
⑫業績見通しのよい銘柄の長期のオプションの買いに備え、常にある程度の現金を用意しておくこと。

「マネーマスターズ列伝」より引用

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