小型株志向で「川下」企業に投資して成功した人物、ラルフ・ワンガーの投資に学ぶ「マネーマスターズ列伝」のススメ

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前回、「マネーマスターズ列伝」より「マイケル・スタインハート」を紹介した。

今回は、小型株志向で「川下」企業に投資して成功した人物「ラルフ・ワンガー」について紹介したい。

投資への考え方

ラルフ・ワンガーの投資に対する考え方として、サバンナで生活するシマウマに例えて以下のように述べている。

仮にあなたがシマウマで、群れの中で生活しているとしよう。この場合最も肝心なことは、群れの中のどのあたりに身を置くべきかの判断である。状況安泰と見たら、群れの外側についていくのが一番よい。そこには新しい牧草がたくさんある。群れの真ん中にいたのでは、食べ残りか踏んづけられた牧草にしかお目にかかれない。精力的なシマウマは常に群れの外側にいて、仲間よりもたくさん食べる。

一方、ライオンが近づいてきたときにはどうなるか。外側のシマウマはライオンの餌食となるのに比べ、食は薄くても仲間に囲まれているやせっぽちのシマウマは生き残れる。

「マネーマスターズ列伝」より引用

ラルフ・ワンガーは、銀行の信託部や機関投資家に雇われているポートフォリオマネージャには「外側のシマウマ」になる余裕はないと言っている。彼らの戦略は「常に群れの中央に陣どること」であり、彼らは誰からも咎められることがないように、誰もが知っている人気株を買い続けている。なぜなら、彼らは名もない株で大きく賭けて失敗でもすれば、責任問題となり自分のクビが飛んでしまうことになるからだ。

そして、ラルフ・ワンガーは「内側のシマウマ」の考え方では投資で成功することは難しく、生傷が絶えないかもしれないが「外側のシマウマ」である努力をすることが投資で成功する道だと言っている。

投資哲学

ラルフ・ワンガーの投資哲学を支える要素は、基本的に以下の2つである。

①優秀な小型会社に投資すること。小型の会社は大型の会社よりも投資家としては魅力がある。
②大きなトレンドを押さえること。しかもT・ロウ・プライスのように単にトレンドの先導役を選ぶのでなく、トレンドから利益を受ける会社に投資すること。つまり「川下」にいて利益をつかみ取る会社のことだ。

「マネーマスターズ列伝」より引用

T・ロウ・プライスは、成長が期待される分野・産業を見つけて、その中でとびきり優秀な成長企業に投資する手法を用いている。ラルフ・ワンガーと少し違う考え方となる。気になる方は、以下の記事を参照して下さい。

小型株

将来性のある小型株の発掘を積極的に行っているラルフ・ワンガーはまさに、1987年にシカゴ大学のロルフ・バインツ教授が実証した「小型株効果」に乗っていることになる。

ラルフ・ワンガーは、小企業の経営者のほうが成熟した大企業の経営者より変化にうまく対応しやすいとして、その差が小型株の好成績の1つに繋がっていると考えている。さらに、大企業は市場からよく理解されているのに対して、小企業については市場がまだ知らないことが多く、それを先んじて発見できることも好成績の1つに繋がっていると述べている。

「川下」企業

ラルフ・ワンガーは、「川下」企業の利益について半導体事業を例に以下のように述べている。

経営者があれだけ優秀なのにどうも事業のほうはいま一つだ、といったケースがよくありますが、これは競争相手の経営者も同じように優秀なのでお互いにつぶし合いになっているわけです。半導体はたしかに世界を変えたすごい製品には違いない。だが半導体メーカーが業界全体として利益が出るようになったのはやっと最近になってからでしょう。いい業績をあげているメーカーはほんの数えるほどしかなかった。その他のほとんどが赤字だった。

「マネーマスターズ列伝」より引用

ラルフ・ワンガーは、ある産業が大きな発展過程にある場合、大儲けできるのはその周辺にある産業であると言っている。

半導体を例にとると、半導体産業自体がまだまだ冴えなかった頃、テレビ放送、CATV、コンピューター、データ処理産業などの稼ぎぶりは驚異的であった。そして、変化を遂げているテクノロジーを見極めたら、その川下にある企業に投資せよと述べている。

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