貸借対照表から永続的競争優位性をもつ素晴らしい企業をみつけよう

株の勉強

永続的競争優位性を持つ企業とは、独自の強みを長期的に維持し、競合他社に対する優位性を保ち続け競合他社そっちのけで収益をドンドン増やしていく企業のことである。

株式投資の神様ことウォーレン・バフェットは、コカ・コーラなどが永続的競争優位性を持つ企業の代表的な象徴だと述べており、こうした企業を見つけ投資することにより巨万の富を築き上げていった。

では、どのようにしてバフェットは永続的競争優位性を持つ企業を見つけたのだろうか?その答えの1つとして財務諸表の貸借対照表から永続的競争優位性を持つ企業を見つける方法を紹介したい。

貸借対照表

バフェットは、貸借対照表から永続的競争優位性を持つ企業を見つけるポイントは以下の通りであると述べている。

  • 巨額の現金を備蓄しているか?
  • 棚卸資産な急減はないか?
  • 売上高に占める売掛金の割合は他社より低いか?
  • 生産設備が膨らんでいないか?
  • 長期借入金が少額もしくはゼロか?
  • 内部留保は増加しているか?

巨額の現金を備蓄しているか?

永続的競争優位性を持つ企業は、大量の現金を備蓄していることが多い。

儲かっている企業は、大量の現金が入ってくる。運転資金よりも稼ぐ現金のほうが多いからだ。そして、普通の経営者なら不況などを想定してある程度の現金を貯めておこうとする。なので、貸借対照表の「現金及び預金」の額がある程度の一貫性を持ち、そしてその額が多ければ永続的競争優位性を持つ企業の可能性は高くなる。

しかし、バフェットは以下のことを言っているので注意も必要である。

大量の借入金が存在している場合、その企業は優良ビジネスでない可能性が高い。逆に、大量の現金を保有していながら、借入金が少量もしくはゼロで、株式発行や資産売却をしておらず、長期的に収益の一貫性が確認できる場合は、永続的競争優位性を持つ優良ビジネスの可能性が高い。

「史上最強の投資家 バフェットの財務諸表を読む力 大不況でも投資で勝ち抜く58のルール」より引用

本業で稼ぐ力があれば、借り入れに頼らず現金を増やすことが出来る。

ただ貯め過ぎた現金を事業拡大や自社株買い、株主への配当に充てているなら、少しくらい現金が減っていても問題はないと僕は理解している!!

棚卸資産な急減はないか?

永続的競争優位性を持つ企業は、棚卸資産と純利益がともに増加する傾向にある。なぜならば、人気商品でたくさんの注文が入る。その注文をさばくために、在庫を増やしておく必要があるからだ。

人気レストランがたくさんの客をさばくために、冷蔵庫にたくさんの材料を揃えておくようなものなんだと僕的には理解している。

ただし、棚卸資産についても注意すべきことがあるとバフェットは述べている。

ある企業の棚卸資産が増加したかと思うと、わずか数年後に急落するというケースもある。その場合は、過酷な競争体質を持つ所属業界の中で、バブルとバブルの崩壊を経験した可能性が高い。

「史上最強の投資家 バフェットの財務諸表を読む力 大不況でも投資で勝ち抜く58のルール」より引用

バフェットが永続的競争優位性を持つ企業にあげているコカ・コーラは、製品に改良などを加える必要がないため棚卸資産が無用のもになったり時代遅れになることはない。

そういう意味で言えば上記の例であげた人気レストランでは、不景気やすぐそばにライバル店が現れたら、冷蔵庫の食材が無駄になってしまう可能性が高くなる。

腐らない食材を扱うレストランや、誰にでも人気のある神格化されたメニューを持つレストランの株を買うべきなのだろう・・

売上高に占める売掛金の割合は他社より低いか?

永続的競争優位性を持つ企業は、売上高に占める売掛金の割合が他社より低いことが多い。永続的競争優位性を持つ企業の場合、自分に有利な支払い条件(支払い期日が短い)で取引できるからだ。

人気の商品があったとしよう。売り場の主人が、その場の現金支払いしか受け付けていなければ、客である僕は無理をしてでも現金で支払うだろう。しかし人気のない商品であれば、無理に購入することなく値下げを要求したり、クレカなどで支払い期日を伸ばした支払いをするだろう!!

ここで言う支払期日を伸ばすということは、売り場の主人の売掛金の増加を意味している。

だからこそ、バフェットはこう述べている。

もしも総売上高に占める売掛金(純額)の割合が、一貫して同行他社よりも低い企業があったとしたら、ある種の競争優位性を持っている可能性が高い。そうした強みがあるからこそ取引条件を妥協する必要もなく、他社より有利にビジネスをしていけるのである。

「史上最強の投資家 バフェットの財務諸表を読む力 大不況でも投資で勝ち抜く58のルール」より引用

生産設備が膨らんでいないか?

永続的競争優位性を持つ企業は、絶え間なく生産設備を更新する必要はない。

バフェットは「変更の必要がない製品を一貫して生産しつづけることは、一貫して収益をあげつづけることにひとしい」と言っており、またこうも述べている。

永続的競争優位性を持つ企業は、完全に損耗した時点で工場を建て替えればよいわけだ。それにひきかえ永続的競争優位性を持たない企業は、競争から脱落しないためだけに、生産設備を更新しつづけなければならない。

「史上最強の投資家 バフェットの財務諸表を読む力 大不況でも投資で勝ち抜く58のルール」より引用

たぶん、田舎町にある人気のある老舗饅頭屋さんは、儲かってしかたないだろう!!

なぜなら、減価償却も終わった設備で定番の人気商品を作っている。なので、作れば作るほど儲かる。儲かっているのだから、もし機械が壊れて設備投資するさいにも多額の借入を必要とせずに自社のお金で調達することが出来る。

立派な自社ビルを持っている老舗企業は案外儲かっ入るのかもしれない。設備投資のお金もしれており、立派な自社ビルなどで消費しているのかもしれないのだから・・

長期借入金が少額もしくはゼロか?

永続的競争優位性を持つ企業は、長期借入金が少額もしくはゼロである。

めちゃくちゃ儲けている企業は、何かしようとする際に多額の借入を必要とせずに自社のお金で調達することが出来るためである。

バフェットが永続的競争優位性を持つ企業として認めている「コカ・コーラ」や「ムーディーズ」は長期借入金を1年分の純利益で完済できるし、「リグリー」や「ワシントン・ポスト」は2年分で完済できると述べている。

その反対で競争の激しい企業「GM」や「フォード」は、10年分の純利益をすべて支払っても長期借入金を完済することはできない。

借金というのは、全てが悪いとは思わない。だが、多すぎる借金を企業は関りを避けるべきなのかも知れない。このことは、人にも言えるかも知れない・・

内部留保は増加しているか?

企業の内部留保の増加率は、永続的競争優位性の有無を見きわめられる絶好の指標となる。

「史上最強の投資家 バフェットの財務諸表を読む力 大不況でも投資で勝ち抜く58のルール」より引用

バフェットのお気に入りの企業の内部留保は、「コカ・コーラ」で年7.9%、「リグリー」は年10.9%、「バーリントン・ノーザン・サンタフェ鉄道」は年15.6%で成長率となっている。

やはり儲かる企業は、ため込む額も半端ないということだろう。そして、大不況でも余裕で乗り切れる資金があるのだろう!!

ただし、「マイクロソフト」のようにため込み過ぎた内部留保を吐き出すために自社株買いや配当にまわす場合もある。そういう場合もあるので内部留保の動きに注意が必要だが、それでも着実に長期的に増加している企業に投資するほうが良いと思う!!

多額の現金を持ち借金が少ない企業に投資しよう

貸借対照表から永続的競争優位性を持つ企業の見つけ方を説明してきた。

が、株式投資を始めて数十年が経った僕からしてみると良い企業と言うのは注意深く見なくてもパッとみるだけで貸借対照表の数字は素晴らしいものと気付くものだ。

素晴らしい数字の貸借対照表の中で僕自身が特に注意しているポイントが、「豊富な現金をもっていること」と「多額の借金がない」ということである。

企業も人と同じようなものだと僕は思っているので、「現金が少ない」「借金が多い」という企業は、そのような人と同じで心から信じることが出来ない。

偏見かもしれないが「現金が少ない」「借金が多い」という人は、世の中のルールや法を破ることが多いと感じる。企業も同じで「現金が少ない」「借金が多い」企業は、不正会計などでルールや法を破り投資家に損を負わせることが多いと思う。

数十年投資をしてきて「多額の現金を持っている」「借金が少ない」企業が不正会計で売上を誤魔化すといったことをしているのを見たことがない。

それでも、もし「多額の現金を持っている」「借金が少ない」企業が不祥事で投資家に損を負わせたしても「現金が少ない」「借金が多い」企業より立ち直す可能性は高く投資家の損をカバーしてくれることもあるだろう。

ので、出来るだけ僕が投資する企業は「多額の現金を持っている」「借金が少ない」企業を選ぶようにしている。

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