1万円台で購入できる石油・石炭製品事業の「日本コークス工業」の株を購入してみた

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株は出来るだけ分散して投資した方が良い。

なぜなら、1つの企業だけに投資したら「製品の不具合」「ストライキ」「財務部長の使い込み」などの投資した企業固有のリスクによって経営が破綻し、投資した金を全て失う可能性があるからだ。

そして投資した銘柄が2つ・3つと増えれば増えるほど企業固有のリスクは少なくなり、投資した金を全て失う可能性がグングン低くなる。

では、どのくらいの数の企業に投資したら企業固有のリスクは排除できるというのだろう?アメリカの経済学者であるバートン・マルキールがその著書である「ウォール街のランダム・ウォーカー」で、以下のように答えてくれている。

ポートフォリオに30銘柄を組み入れた時点で、非システマティック・リスクがかなり取り除かれ、そこからさらに分散投資を行っても、リスクはあまり低下しなくなる。よく分散された60の銘柄を組み入れると、非システマティック・リスクはほとんど取り除かれ、それ以後このポートフォリオはほとんど市場と同じように動くようになる。

「ウォール街のランダム・ウォーカー」より引用

非システマティック・リスクとは、企業固有のリスクのことだと思ってくれればよい。

そしてバートン・マルキールによると、よく分散された60の銘柄を組み入れると日経平均やTOPIXなどの市場と同じように動くと答えてくれている。

今回は、僕は分散という意味も込めて石油・石炭製品事業を営む「日本コークス工業」を購入した。

「日本コークス工業」は1万円台で購入できる銘柄である。投資するお金が少ない人や、広く分散された銘柄に投資するという意味で石油・石炭製品事業の株を持っていない人にはオススメできる銘柄ではないかと僕は思っている。

日本コークス工業(3315)

2021/7/1に以下の株を購入。

  • 日本コークス工業(3315)

102円で100株購入。
購入時のPER(予):7.6倍、PBR(実):0.58倍、ROE(実):8.07%、配当利回り(予):3.92%

製鉄プロセスや金属精錬に不可欠なコークスを製造・販売する大手メーカー。

日本コークス工業のここ数年の株価チャートは以下の通り。

日本コークス工業の株価チャート

購入時のコメント

ここ5年の売上は右肩下がりで、前期の2021年03月期決算の売上は過去10年間で一番悪く約878億円となっている。

ここ5年の純利益は約2千万~48憶円の間を行ったり来たりしており、振り幅がとても大きい状態。また会社四季報によると今期の2022年03月期決算の純利益は前期を下回る予想だが、来期の2023年03月期決算では前期・前々期を僅かに上回る予想となっている。

日本コークス工業は石油・石炭製品業に分類されており、石油・石炭製品業全体の市場平均のPERは11.9倍となっている。日本コークス工業の現時点でのPER(予)は7.6倍で、現時点での市場平均と比較しても割安感があると言える。

純利益の利益率について、ここ5年は約0.03~4.5%と振り幅が大きい状態であるが、会社四季報の予想通りの純利益を叩き出したと想定した場合、今後の純利益の利益率は約4~5%くらいとまずまずの利益率に落ち着くと考えている。

キャッシュフローについては、ここ10年で2回だけフリーキャッシュフローがマイナスの年がある。まずまず落ち着いたキャッシュフローの状態だと認識している。

配当については、純利益の振り幅が大きいため凸凹した状態である。また、今期の2022年03月期決算の配当は前期と同じ額である1株:4円になる予定である。会社四季報の純利益予想から見ても、今後1~2年は1株:4円の配当が続くと考えている。

最後に

世界が脱炭素に向かうなかで、石炭を蒸し焼きにして抽出した炭素の塊であるコークスを取り扱う企業である日本コークス工業。

「砂上の楼閣」が大好きな投資家が喜んで投資をする企業ではないので、残念であるが株価がバブルのように急騰する銘柄とは言えない。

それよりも「負け組」企業としてどこまで奮闘できるのか?それを試されている企業とも言える。

だけど僕個人的には、こうした企業の方が大好きだ。だって、やる気のある若者や経営者が新規参入しようと思わないからだ。

多分、これはレッドオーシャンと呼ばれるシステム開発企業で働いてきた経験からきているものなのだろう。僕が働いていた頃から、やる気のある若者や経営者が次々と起業してシステム開発事業に参入してきた。

その時の過去の傷は、まだまだ癒えてないのだろう。参入障壁が低く、やる気のある若者や経営者がどんどん参加してくるレッドオーシャンの事業はどうしても好きになれない。

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