新規公開株(IPO)への投資で儲けるためにはどうすれば良いのか?

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必ず儲かる投資などあるのだろうか?そんなものは無いはずだ。少なくとも、株式投資を始めて十数年が経ったが、僕は今まで一度も見たことはない。

でも、少しはリスクがある。けれど、そこそこリターンを得ることの出来る固い投資というのはあると思う。

その1つが「新規公開株(IPO)投資」だ。

だがIPO投資をするには、「IPOに申し込むいう手間」と「IPOに当選するという幸運(※説によると当選確率は1~2%と言われている)」が必要となる。

IPO投資は宝くじ?

数あるIPOの中から大成功をおさめたものを1つでも購入することが出来たのなら、老後は安泰と言えるほどのリターンを手にすることが出来るからだ。

例えば、1986年に上場したマイクロソフトに1000ドル投資したなら2003年末には約29万ドルになっている。また、1971年に上場した半導体メーカーのインテルに1000ドル投資したなら2003年末には約190万ドルになっている。

この成功を見るとIPOに投資して、長期保有するのも悪くないと思うだろう。

けれども、世界でも有名なフィナンシャル分野の教授であるジェレミー・シーゲル博士は、その著書である「株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす」という本のなかで、IPOのリターンについて以下のように述べている。

IPOを無条件に定期的に買うなら、既存銘柄で運用するのに場合に比べて、運用成績はかなり低くなるだろう。

調査では、1986年以降に上場した約9000銘柄を対象に、買い持ちした場合のリターンを調べた。上場月の月末の価格か公募価格のいずれかで購入し、2003年12月31日まで保有すると想定した。

大成功する勝者もあるにはあるが、そうでない敗者の数が、どうみても多すぎる。IPO投資家の運用成績は全体に、市場平均を2~3%下回っている。

「株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす」より引用

宝くじを無条件に定期的に購入するという人は、世の中に少なからずいるだろう。だが、そうした人の多くはお金持ちになっている訳ではなく、お金をドブに捨てている。

それと同じように、株式投資の世界でIPOを無条件に定期的に購入する。この方法も宝くじと同じで、夢を見ることはできるがお金をドブに捨てているようなものなのだ。

IPO銘柄を手にしたなら、さっさと売れ

上記の内容は、IPO銘柄を長期で保有した場合の話である。だが、短期の投資となると少し話が違ってくる。

例えば、日本では2017年~2019年の間でIPOとして260社が上場を果たしている。このなかで、初値(IPOで初めて付いた株価)が公募価格を上回ったものはどれくらいあるのか知っているだろうか?

答えは約90%だ。約90%もの企業が、初値が公募価格を上回る結果を残している。しかも騰落率の平均も約100%くらいと、申し分ないリターンを挙げている。

「IPO銘柄を手にしたなら、さっさと売ってしまえ!」

シーゲル博士の著書である「株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす」でも、同じようなことを言っている。

新株を配分された顧客の多くは、早い時期に売却して莫大な利益を掴んでいる。人気のIPO銘柄を公募価格で手に入れる幸運に恵まれたなら、さっさと売ることをお奨めする。

「株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす」より引用

もし、IPO銘柄を短期で売らずに持ち続けていたらどうなっていたのだろうか?

2017年に上場した会社で、初値が公募価格を上回る成績を残した上位3社で確認してみた。

  • トレードワークス(3997) 上場日:2017/11/29
    公募価格:2,200円、初値:13,600円、騰落率:518.18%
  • ウォンテッドリー(3991) 上場日:2017/9/14
    公募価格:1,000円、初値:5,010円、騰落率:401.00%
  • ビーブレイクシステムズ(3986) 上場日:2017/6/15
    公募価格:1,670円、初値:7,700円、騰落率:361.08%

この3社の現在(2021/9/13)の株価は以下の通りだ。

  • トレードワークス(3997) 株価:787円
  • ウォンテッドリー(3991) 株価:2,708円
  • ビーブレイクシステムズ(3986) 株価:1,293円

株価を見てみると、3社のうち2社は公募価格を下回っていた。残りの1社は、公募価格を上回っいたが初値には届いてない状態であった。

IPO投資をするなら

もし僕がIPO投資をするなら、運よくIPOに当選したらさっさと売るのが良い方法だと思う。

また、IPOに外れてしまった。けれど、どうしても投資したい銘柄だ。そういう場合は、上場後数年は様子を見て購入する。これが、ベストではないだろうか?

最後にファンダメンタル分析の父と呼ばれたベンジャミン・グレアムが、IPO投資について以下のように語っていたので紹介したい。

新規公開株のいくつかは、そのうち素晴らしい買い物となるかもしれない。数年後、だれにも見向きされなくなって、株価が実際の価値の数分の1になっていれば、その可能性はある

「株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす」より引用

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