楽天SPUのポイントアップを目的にポイント投資(SBI・全世界株式インデックス)をしてみた

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最近、楽天経済圏での生活をより豊かにするためにスマホを楽天モバイルに、電気を楽天ひかりに切り替えた。

そのことで楽天SPUのポイントがアップしたのだが、よりポイントアップを目指して楽天証券でのポイント投資(月500円の積立投資)を行おうと思ったのだ。

そして楽天証券でポイント投資をするには投資信託を購入する必要があるのだが、今回僕は「SBI・全世界株式インデックス・ファンド(雪だるま(全世界株式))」を選ぶことにした。

なぜ「SBI・全世界株式インデックス・ファンド(雪だるま(全世界株式))」を選ぶことにしたのか?

楽天SPUのポイントアップが主目的とはいえ、その理由を自分への備忘録の意味を込めて記載しておきたい。

リターンが良い株式の投資信託

株式投資のリターンを長期的に見た場合、社債や債券・消費者物価のインフレ率を大きく上回る成績を残している。

だが一年区切りなどの短期的なリターンを見た場合は、成績のバラツキが大きく50%以上のプラスマイナスの成績となることも珍しくない。

株式投資とは単純に言ってしまえば、長期的にはインフレ率を上回る成績を残すのだが、短期的には50%以上の大きなマイナスを生み出すものなのである。

僕は、短期的にはマイナスのリスクになっても構わない。けれども長期的には、ある程度のリターンが欲しい。

そういう思いから、株式を運用している投資信託を選ぶことにした。

分散投資の有効性

株式を運用している投資信託を選ぶからには、ある程度のマイナスは覚悟しなければならない。けれども僕も普通の人間である。出来ればマイナスは少なくして、ある程度のリターンを得たい。

どうすれば、そんな都合の良いことができるのだろうか?

その答えは、アメリカの経済学者であるバートン・マルキールの著書である「ウォール街のランダム・ウォーカー」のなかにあり、キーワードは『分散投資』であった。

この『分散投資』の有効性について、「ウォール街のランダム・ウォーカー」でたいへん分かりやすく説明されていたので紹介したい。

たった二つしか会社がない離れ小島があったしよう。一つは、ビーチやゴルフコースを経営するリゾート企業。もう一つは、傘のメーカーである。両社ともその業績は天候に大きく左右され、季節別の両社の株式投資のリターンは以下の通りである。

・リゾート企業…(晴れの季節: 50%、雨の季節:-25%)
・傘のメーカー…(晴れの季節:-25%、雨の季節: 50%)

平均して、一年の半分は晴れて、半分は雨が降る。この場合、あなたが2ドル持っているとしたら、どのように投資すればリスクが低い投資になるのだろうか?
傘メーカーの株式を買った投資家は、一年の半分は投資額の50%のリターンを上げ、残る半分は25%の損をする。そのため、この投資家の平均リターンは12.5%となる。同様に、リゾート企業の株式を買った投資家も同様の結果となる。
実際には、ある年は晴ればかり、ある年には雨ばかり続くということもありうるので、どちらの事業の投資もかなりのリスクを伴う投資と言えるだろう。
だが、投資家が「1ドルをリゾート企業、1ドルを傘メーカー」といった具合に持っている2ドルを分散投資したしよう。
晴れた季節にはリゾート投資の1ドルは50セントのリターンを生み、傘メーカーの投資1ドルは25セントの損となる。この場合の投資家の利益は、25セント(50セント-25セント)となる。
これは、投資総額2ドルに対して12.5%のリターンとなる。
雨の季節に関しても、リゾート企業と傘メーカーの収益が入れ替わるだけで、全く同じことが起こる。
天気がどうなろうと、両社に投資を分散させることで、投資家が毎年確実に12.5%のリターンを上げることが出来る。

「ウォール街のランダム・ウォーカー」より抜粋

分散投資の有効性が学べる非常に分かりやすい例である。

僕はこの例から、株式投資では分散投資を用いることで「値下がりリスクを抑えつつも、ある程度のリターンは狙える」ということを学んだ。

どこまで分散すべきか

株式の投資信託を探していると、基本的に以下5つのタイプの投資信託が出てくる。

・日本株式(TOPIX型・日経平均型)
・アメリカ株式(S&P500指数)
・新興国株式
・先進国株式
・全世界株式

「日本株式全体に投資をするのか」「アメリカ株式全体なのか?」「新興国の株式なのか?」「先進国の株式なのか?」「全世界の株式なのか?」どこまでを範囲としたら良いのかという話なのだが、僕は「全世界株式」がベストなのではと考えている。

でも、なかには「アメリカ株式(S&P500指数)」がベストだという声もある。

なぜ「アメリカ株式(S&P500指数)」がベストなのだろうか?それについては、以下を理由とした米国株の優位性というものがある。

・米国は先進国の中でも珍しく、人口が緩やかに増加し続けている
・米国は多くのイノベーションを生み出してきた国であり、世界中で活躍している企業がたくさんある
・米ドルは世界で最も信頼されている基軸通貨であり、金融・財政政策の余地が大きい

確かにアメリカには、GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)をはじめ世界中で活躍している企業がたくさんある。そして、国の力も強い。

アメリカ企業は今後の10年・20年と大きな収益を稼ぎ出すと思う。そして、そんな国の株式に投資できる「アメリカ株式(S&P500指数)」は非常に良い投資先に見える。

だが、株式のリターンは企業の収益の増加率だけで決まるものではない。

成長の罠

世界でも有名なフィナンシャル分野の教授であるジェレミー・シーゲル博士は、株式投資のリターンについて「成長の罠」があると述べている。

「成長の罠」については、シーゲル博士の著書である「株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす」の本のなかで、スタンダード・オイル・オブ・ニュージャージ(現在のエクソンモービル)とIBMを例にして、以下の問いを読者に投げかけている。

その問いとは、もしあなたが1950年に戻ってオールドエコノミー陣営の「スタンダード・オイル・オブ・ニュージャージ」と、ニューエコノミー陣営の巨人「IBM」の2つから1つを選ぶならどちらに投資するのかというものだ。

ちなみに1950年以降の「IBM」のバリュエーション(1株当たり売上高、1株当たり配当、1株当たり利益)は、「スタンダード・オイル・オブ・ニュージャージ」と比較して、圧倒的に上回る成績を残している。

普通の人ならば、企業の収益が伸びている「IBM」に投資するだろう。だが、この答えはシーゲル博士のいう「成長の罠」に嵌ったということになる。

実際に「スタンダード・オイル・オブ・ニュージャージ」と「IBM」の投資のリターンを見てみよう。

1950年~2003年までの間で、スタンダード・オイル・オブ・ニュージャージは年率14.42%のリターン、IBMは年率13.83%のリターンと、半ポイント以上の差が付いている。これを金額ベースの比較に直すと、スタンダード・オイル・オブ・ニュージャージに投資した1000ドルは126万ドルになり、IBMに投資した1000ドルは96万1000ドルとなる。

なぜ、これほどの差が生まれるのだろうか?

シーゲル博士は単純な回答として、投資家がIBM株に支払った価格が高すぎたためだと述べている。

1950年~2003年までのスタンダード・オイル・オブ・ニュージャージとIBMのバリュエーション(株価評価)である「平均株価収益率(PER)」「平均配当利回り」を比較すると、「平均株価収益率(PER)」はスタンダード・オイル・オブ・ニュージャージ:12.97倍、IBM:26.76倍と半分近い差があり、「平均配当利回り」もスタンダード・オイル・オブ・ニュージャージ:5.19%、IBM:5.19%と同様に半分近い差がある。

そしてシーゲル博士は、このように結論付けている。

IBMはたしかに優秀な業績を達成した。だが投資家も、IBMには優秀な業績を期待していた。したがって、IBMの株価はつねに高かった。一方、スタンダード・オイルでは、投資家の増益期待はきわめて控え目だった。したがって、スタンダード・オイルの株価はつねに低く、投資家は配当の再投資を繰り返すことで、保有株を積み上げていった。保有株数が上回った分だけ、スタンダード・オイルのリターンはIBMを上回った。

「株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす」より引用

現在、「アメリカ株式(S&P500指数)」の平均株価収益率(PER)は約35倍(※過去の平均PERは17倍程度と言われている)で、平均配当利回りも約1.2%と過去数十年で見ても低い水準となっている。

アメリカの企業は、今後も力強く成長し大きな収益を生み出す可能性が高いということに異論はない。だが現時点の「アメリカ株式(S&P500指数)」に対して、投資家の期待は高すぎると僕は考えている。

もし「アメリカ株式(S&P500指数)」に投資をするならば、もう少し投資家の期待が下がってからのほうが無難ではないかと思っている。

また「アメリカ株式(S&P500指数)」のリターンついて、過去何十年と優秀な成績を残したきた。だが、決して一本調子で右肩上がりの成績を残してきた訳ではない。

事実として2000年代最初の10年間のリターンはマイナスであった。だが、同じ期間に新興国株式に幅広く分散投資するインデックス・ファンドに投資していれば、申し分のないリターンを手にすることが出来た。

このことからも、株式に分散投資をするのならば「全世界株式」が良いのではと僕は考えている。

SBI・全世界株式インデックス

僕は楽天証券でのポイント投資として、値下がりのリスクとリターンの関係性を考慮して全世界株式に投資できる投資信託を選ぶことにした。

楽天証券には全世界株式に投資できる投資信託がいくつか存在するのだが、その中で僕は「SBI・全世界株式インデックス・ファンド(雪だるま(全世界株式))」を選ぶことにした。

その理由は1つ。現時点で「SBI・全世界株式インデックス・ファンド(雪だるま(全世界株式))」のコストが一番安かったからだ。

もし今後、「SBI・全世界株式インデックス・ファンド(雪だるま(全世界株式))」よりコストの安い全世界株式に投資できる投資信託が表れたならば、僕はそちらに乗り換えるつもりだ。

同じような商品なら、コストが安いものを選ぶ。ちょっと手間がかかるのかも知れないが、貧乏性な僕のこういう性質は変えることができない。

また、これとは別件で「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」も月500円の積立投資をすることにした。

理由としては、僕は日本の個別株を多く持っているので、単純に日本を除いた全世界株式の投資信託を買ったら、どれくらいのリターンが生まれるのか体感で知りたかったからだ。

「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」の投資は貧乏性の僕にとっては完全に蛇足なのだが、人生を楽しむには無駄が必要とも言う。株式投資を楽しむためにも、これくらいの無駄があっても許されるのではないだろうか?

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