株式投資をするなら『経済的な掘のある』本物の企業を見分けられるようになろう

株の本のイメージ(2022,23年) 株の勉強

前回の記事で、投資や就職するなら経済的な掘のある企業したほうがいいという当たり前すぎることを書いた。

では経済的な掘のある企業とはどのように見分ければ良いのだろうか?これは簡単なようで意外と難しい。

偽物や三流のものが本物ように見える、ときとして本物以上に輝いて見えることがある。銘柄を選ぶときには、ちょっと注意が必要である。お金がかかると、人間の目は曇ってしまうというものだ。

堀のある企業の見分け方

経済的な掘のある企業を見分けるにはどうすれば良いのだろうか?「千年投資の公理」の本に、経済的な掘のある企業を見分けるには以下のリストに沿って考えれば良いと述べている。

・ブランド、特許、無形資産を持つ企業は、ライバル企業がかなわない製品やサービスを販売できる
・販売している製品やサービスが顧客にとって手放しがたいものであれば、乗り換えコストが少しでも余計にかかることによって顧客離れを防ぎ、価格決定力を企業のほうに与える
・ネットワーク経済の恩恵を受ける一部の幸運な企業には、長期間ライバルを閉め出すことができる強力な経済的な堀がある
・最後に、生産過程や場所、規模、独自のアクセスなどによって製品やサービスをライバルよりも安い価格で提供できる企業にはコスト上の優位性がある

「千年投資の公理」より引用

このリストのどれかに企業のサービスや事業が当て嵌まるのであれば、その企業は経済的な掘のある企業、すなわち長期間利益を生み出してくれる企業の可能性が高い。

ちなみに僕が働いていた弱小システム会社は、どのリストに当て嵌まらない企業であった。

でも僕の会社の事業が時代にマッチしていたのか、ITバブルの崩壊やリーマンショック、東日本大震災など経済がガタガタの中でもクビになることはなかった。

クビにならなったのは不幸中の幸いと言えるのかも知れない。だが、給与や待遇は他の企業に比べよくない。最初から経済的な掘のある企業に就職していればこんなに苦労することはなかったと今でも後悔することがある。

偽物に気を付ける

世の中では偽物や三流のものが本物ように見えることがある。人間の目というものは案外ポンコツなものだ。

では、どういう時に勘違いするのだろうか?「千年投資の公理」の本でも、「誤解されている堀」として以下の4つのポイントが紹介されていた。

筆者の経験では、①素晴らしい製品、②大きなマーケットシェア、③ムダのない業務遂行、④優れた経営陣-などが「誤解されている堀」の代表的なものだ。この四つの罠にかかると、実際にはありもしない堀を持っている魅力的な企業に見えてしまう。

「千年投資の公理」より引用

詳細については「千年投資の公理」本を読んで欲しい。これを知ることで、企業のメッキを剥がすことができるだろう。

アルペン(3028)

僕は10年前ほどにスポーツ用品店チェーンの最大手という理由でアルペンの株を購入した。最大手というからにはある程度のシェアがあり、他の類似企業よりも有利な面があると思っていた。

だが、今のアルペンの株価の成績は評価益が39.04%という芳しくない成績だ。多分アルペンの事業からして、大きなシェアがあってもそれが有利に働いてないのだと思う。

アルペンの株価チャート
アルペンの株価チャート

最近は何でもネットで購入すること人が多いだろう。僕自身もそうだ。こういう人が増えていく中で、実店舗を多いということはビジネス上有利になることは少ないだろう。上記の「誤解されている堀」1つの『大きなマーケットシェア』というものに騙されたのかも知れない。

それにアルペンに『素晴らしい製品』があるとは言い難いと僕は思っている。もし僕の勘違いで『素晴らしい製品』があったとしても、その製品が他社にモノマネされれば長期的な利益には繋がらない。

またアルペンが『ムダのない業務遂行』を実施してコストを下げたとしても、これもその業務が他社にモノマネされれば長期的な利益には繋がらない。

アルペンが事業的に詰んでいる状態であれば『優れた経営陣』が率いたとしても、良い結果を残すのは難しいだろう。

でも悲観ばかりしている訳ではない。

芳しくはないが評価益も出ているし、配当金も累計すれば4万円以上貰っている。そして株主優待として、これまでに20,000円以上の優待券も貰っている。

株式投資とは銘柄選択をミスったとしても何とかなるもんだし、アルペンが今後大きく生まれ変わる可能性もあるかも知れない。追い込まることで新しい何かが生まれることは世の中ではよくあることだ。

でも今後株式投資をするなら「千年投資の公理」の本にある経済的な掘のある企業を見分けるリストに沿って銘柄を選びたい。やっぱり後悔を少なくするためにも、最初から本物を手に入れたいのだ。

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