先日、知人から「100万円を投資するなら何に投資するのが良い?」と言われたので、以下みたいな感じで投資したら良いんじゃないと言ってみた。
- 日本たばこ産業(通称JT)、投資額:231,580円
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、投資額:249,300円
- SBI・全世界株式インデックス・ファンド、投資額:249,000円
- eMAXIS Slim 先進国リートインデックス、投資額:102,000円
- eMAXIS Slim 先進国債券インデックス、投資額:68,000円
- 現金:100,120円
株式を中心して、リートや債券にも投資するスタイルだ。
アメリカの経済学者であるバートン・マルキールの著書である「ウォール街のランダム・ウォーカー」や、世界でも有名なフィナンシャル分野の教授であるジェレミー・シーゲル博士の著書である「株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす」、また最新の金融工学理論を駆使して資産設計をサポートしてくれるマネックス証券のMONEX VISION(マネックス ビジョン)というツールを参考にして、「何に投資をするのか?」「どういう配分にするのか?」を決め知人の問いに回答した。
日本たばこ産業
なぜ、日本たばこ産業をオススメしたのか?その理由は「株主優待」と「高い配当金」だ。
日本たばこ産業は、100株保有すると2,500円相当の自社製品が貰える。こうしたものが貰えることは、個人で少額投資をしている人へに対して大きなメリットとなる。せっかく投資をするならば、このメリットを十分に味わって欲しいと思い知人にオススメすることにした。
また日本たばこ産業の高い配当金も、知人にオススメした大きな理由の1つである。日本たばこ産業の今年度の配当額は1株:140円の予定で、知人は100株保有となるので年間14,000円もの配当金が貰える。
ちなみに「株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす」では、同じタバコ産業でアメリカ「フィリップモリス」を取り上げており、「フィリップモリス」は、過去にタバコの健康被害の訴訟での和解金や喫煙者の減少などで苦戦することも多かったが、株式のリターンはS&P500の成績を大きく上回っていることを説明している。
そして、この高成績の理由を「フィリップモリス」の高い配当金と、配当金を再投資するというサイクルによるものであるとシーゲル博士は述べている。
日本たばこ産業も「フィリップモリス」並みに高い配当金を出している。本当であれば日本たばこ産業の配当金で、日本たばこ産業の株を買い足したいのだが、単元株数で買い増すには中々難しいものがある。
ので、後述する「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」の投資信託を月500円ずつの合計1,000円の積立投資することを知人にオススメすることにした。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、SBI・全世界株式インデックス・ファンド
株式投資には値下がりするリスクがある。このリスクについて、「ウォール街のランダム・ウォーカー」では「システマティック・リスク」「非システマティック・リスク」という言葉で説明してくれている。
「システマティック・リスク」とは、株式市場全体が変動すること、また、ほとんどの株式がある程度一緒に動いてしまう株価変動のリスクである。そして「非システマティック・リスク」とは、不良品によるリコールや不正会計など企業特有のリスクを指している。
上記にあった日本たばこ産業の株を購入することは、「ウォール街のランダム・ウォーカー」で言えば「システマティック・リスク」「非システマティック・リスク」の両方をリスクを抱えることになる。
例えば、景気の後退や日本で金融増税が囁かれると日本株全体が値下がりする。この余波を受けて「日本たばこ産業」の株価も下がる。これが「システマティック・リスク」である。
また「日本たばこ産業」で「ストライキが発生した」「財務部長が不正な使い込みをした」などが起これば、日本株全体が値上がりしていたとしても「日本たばこ産業」の株価は下がってしまう。これが企業特有に発生する「非システマティック・リスク」である。
株式投資の世界では、「システマティック・リスク」は株式投資の性質上避けることは出来ないものだ。だが「非システマティック・リスク」は避けることができる。この「非システマティック・リスク」を避ける方法が分散投資なのである。
そして、分散投資の極みである全世界株式に投資することで「非システマティック・リスク」を避け、純粋な「システマティック・リスク」を引き受けるだけの投資となる。
「日本たばこ産業」への投資は、「システマティック・リスク」「非システマティック・リスク」の両方が存在する投資である。これ以上の「非システマティック・リスク」がある投資は避けたかったので、全世界株式に投資できて、かつ売買や保有にかかるコストがとても小さい「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」に投資することを知人にオススメすることにした。
eMAXIS Slim 先進国リートインデックス、eMAXIS Slim 先進国債券インデックス、現金
上記で説明した通り、株式投資には「システマティック・リスク」「非システマティック・リスク」が存在する。そして「非システマティック・リスク」は分散投資で取り除けるのだが、「システマティック・リスク」は避けることが出来ない。
簡単に言ってしまえば株式投資というものは、その性質上どんな対策をしたとしても値下がりするということは絶対に避けることが出来ないものなのだ。
だけども、株式の値下がりリスクをやわらげるという方法も存在する。その方法とは、株式と逆の値動きをする債券や株式の値動きとあまり連動しないリートを購入するというものだ。「ウォール街のランダム・ウォーカー」でも、株式の値下がりリスクを避けるために債券やリートにある程度の資産を振り分けることが大事であると述べている。
ここで問題となるのが、株式・債券・リートにどのくらいの割合で振り分ければよいのかということだ。
この割合を決めるのに、僕はマネックス証券のMONEX VISION(マネックス ビジョン)というツールを使用した。このツールでは、リターンとリスクの関係をもとにどのように資産を配分したらよいのかを教えてくれるものだ。
知人は値下がりリスクは引き受けてでも積極的に増やしたいとのことだったので、MONEX VISION(マネックス ビジョン)を参考にして株式が超高めの配分にすることをオススメすることにした。
また投資額について、100万円全額を投資するということでも良かったのだが、全額ではなく90万円だけ投資することにした。残りの10万円は、株価が大きく値下がりしたときに買い増ししたり、他に欲しい投資信託が出てきた時の購入資金にした方が良いとアドバイスしておいた。
最後に
知人から資金運用の相談を受けたので、自分が今まで学んだ投資の知識や経験をもとにアドバイスすることにした。
親切心からのものなのだが、親切が仇になるということもある。社会人になって嫌と言うほどこのことを学んだはずなのだが、それでも、このアドバイスが知人の将来を明るく照らすものになって欲しいと願ってしまう。
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