世界でも有名なフィナンシャル分野の教授であるジェレミー・シーゲル博士は、過去200年間を期間として、アメリカ株式市場のインフレ調整後のトータルリターンを調査した。その結果、株式の平均リターンは年率6.5~7%であり、投資家の財産が平均して10年で倍のペースで増え続けていることを発見したのだ。
僕は、ほんの少し前に全世界株式インデックスを購入した。
僕が購入した「eMAXIS全世界株式インデックス」のここ数年のリターンは以下の通りである。
- 利回り(1年)…48.34%
- 利回り(3年)…18.22%
- 利回り(10年)…15.14%
ここ数年の「eMAXIS全世界株式インデックス」の成績は、シーゲル博士が調べた株式平均リターンの年率6.5~7%を圧倒的に上回る成績を残している。過去が未来を指し示すとは限らないが、もしかしたら僕は今後大幅に下落するかも知れないバブル状態の全世界株式インデックスを購入したのかも知れない。
世界株式のリターン
アメリカ株式市場のインフレ調整後のトータルリターンは年率6.5~7%である。では、世界の株式市場のリターンはどうなのだろうか?
シーゲル博士は、アメリカ以外の国の株式の平均実質リターンを調べている。その結果、世界の株式実質リターンも、アメリカの株式市場とさほど変わらないと述べている。
1900年から2003年を期間として、対象16ヵ国の株式、長期国債、短期国債の平均実質リターンを示した。株式の実質リターンをみると、最低はベルギーの1.9%、最高はスウェーデン、オーストラリアの7.5%で、米国の株式リターンは優秀ではあるが、例外的ではない。米国を上回る国がスウェーデン、オーストラリア、南アフリカと3ヵ国ある。世界の株式実質リターンの平均をみても、米国のそれとさほど変わらない。
「株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす」より引用
シーゲル博士が言うように、世界の株式実質リターンがアメリカとさほど変わらないものであるならば、「eMAXIS全世界株式インデックス」のここ10年のリターンは平均リターンである年率6.5~7%を大きく上回っている状態である。
ちなみに、ここ10年のアメリカのインフレ率(IMFの発表値)は年1.97%程である。このインフレ率を考慮してみても、「eMAXIS全世界株式インデックス」のここ10年のリターンは圧倒的であると言わざるを得ない状態である。
株式はバブル状態なのか?
「eMAXIS全世界株式インデックス」のここ10年のリターンは圧倒的な成績の理由は何なんだろう?もしかしたら日本の円安とインフレ率が関与しているかも知れない。そう思ったので、日本のここ10年のドル/円の状況やインフレ率を調べてみた。
10年前のドル/円の状況をみると1ドル/82円くらいである。そして、現時点では1ドル/115円である。ここ10年でみると、年3%ずつ円安となっている。また、ここ10年の日本のインフレ率(IMFの発表値)は年0.54%程である。
日本の円安・インフレ率を考慮してみても、「eMAXIS全世界株式インデックス」のここ10年の圧倒的なリターンを説明することは出来ない。
長期間で見た株式のインフレ調整後のトータルリターンは年率6.5~7%である。過去を鑑みると、ここ10年の「eMAXIS全世界株式インデックス」のリターンはずば抜けている状態である。
もしかしたら僕は、バブル状態の全世界株式インデックスを購入したのかも知れない。
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