紳士服業界のトップ3、青山商事・AOKI・コナカで株式投資するならどの会社?

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前回の記事で、2020年11月下旬に配当利回り(予想)トップに躍り出た紳士服業界3位のコナカ(7494)の株について購入すべきかどうか検討してみた。

結果として、利益成長率やファンダメンタル価値を考慮して購入しないと結論付けた。

コナカの株の購入検討について興味がある方は、以下を参照して欲しい。

では、他の紳士服業界で購入するに値する企業は存在するのだろうか。

ちなみに紳士服販売チェーンの規模として、トップは青山商事(8219)、2位はAOKIホールディングス(8214)、3位はコナカ(7494)である。

この3社について、2021年04月30日時点の株価状況は以下の通りである。

青山商事
株価:825円、PER(予):–倍、PBR(実):0.23倍、配当利回り(予):0%

AOKIホールディングス
株価:606円、PER(予):–倍、PBR(実):0.41倍、配当利回り(予):1.65%

コナカ
株価:330円、PER(予):70.7倍、PBR(実):0.34倍、配当利回り(予):6.06%

この中でどの企業の株が買いなのだろうか?株式投資で成功する3つのルールをもとにして確認していみたい。

ちなみに株式投資で成功する3つのルールは、以下の通りである。

・利益成長率が今後五年以上にわたって市場平均以上の銘柄を買うこと
・株価がファンダメンタル価値以上になっている銘柄には手を出すな
・投資家が「砂上の楼閣」を作れるようなストーリーが描ける銘柄を探そう

「ウォール街のランダム・ウォーカー」より引用

この株式投資で成功する3つのルールは、アメリカの経済学者で「ウォール街のランダム・ウォーカー」の著者であるバートン・マルキールが述べているものである。

このルールについて興味がある方は、以下を参照して欲しい。株式投資で成功する3つのルールの詳細が記載されている。

利益成長率

紳士服販売チェーンの規模トップ、青山商事のここ数年の純利益は以下の通りだ。

  • 2018年03月決算…11,461百万円
  • 2019年03月決算…5,723百万円
  • 2020年03月決算…△16,900百万円
  • 2021年03月決算(会社予想)…△29,200百万円

会社四季報の予想によると2021年03月決算は赤字の予想と青山商事の会社予想と同じである。また、会社四季報では来期の2022年03月決算も黒字になっていない予想である。

紳士服販売チェーンの規模2位、AOKIホールディングスのここ数年の純利益は以下の通りだ。

  • 2018年03月決算…7,377百万円
  • 2019年03月決算…4,602百万円
  • 2020年03月決算…447百万円
  • 2021年03月決算(会社予想)…△11,900百万円

会社四季報の予想によると2021年03月決算は赤字の予想とAOKIホールディングスの会社予想と同じである。また、会社四季報では来期の2022年03月決算の利益は黒字予想である。

紳士服販売チェーンの規模3位、コナカのここ数年の純利益は以下の通りだ。

  • 2018年09月決算…△493百万円
  • 2019年09月決算…△5,344百万円
  • 020年09月決算…△12,948百万円
  • 2021年09月決算(会社予想)…136百万円

会社四季報の予想によると2021年09月決算は赤字の予想となっており、コナカの会社予想の黒字と食い違っている状態である。また、会社四季報では来期の2022年09月決算の利益は黒字予想である。

青山商事、AOKIホールディングス、コナカの3社ともに赤字が続いている状態である。なので利益成長率を予想することは難しい。利益の成長と言うよりかは、3社ともまずは黒字転換を目指しているといったところだ。

その中でAOKIホールディングスは、会社四季報の予想では2期だけの赤字で済む想定であり、他の2社と異なりより早くに黒字に転換できている。

そういう意味では、この3社の中ではAOKIホールディングスを買うのが良いと考える。

ファンダメンタル価値

紳士服業界を含む小売業の全市場平均のPERは39.62倍である。

青山商事のPERについて、今期は赤字想定のため算出できない。会社四季報による来期の純利益の黒字予想でないため、想定のPERも算出することが難しい状態である。

AOKIホールディングスのPERについて、今期は赤字想定のため算出できない。

会社四季報によると来期は黒字予想である。どのくらいの黒字なのかは会社四季報を見て欲しい。もし、来期の純利益について会社四季報の予想数値に近い値となるならば、現在の株価でのPERは15~20倍くらいだと僕は考えている。

コナカのPERについて、今期は会社予想で70.7倍である。会社四季報では、今期は赤字で来期は黒字予想である。どのくらいの黒字なのかは会社四季報を見て欲しい。もし、来期の純利益について会社四季報の予想数値に近い値となるならば、現在の株価でのPERは17~22倍くらいだと僕は考えている。

会社四季報の来期の純利益の数値予想を考慮すると、AOKIホールディングス・コナカは市場平均と比べてファンダメンタル価値以下だと言える。

そして、AOKIホールディングスの方がコナカより割安な状態である。

砂上の楼閣

世の中を見ていると紳士服業界自体が落ち目の産業と言える。なので砂上の楼閣が起こりにくい業界だと考えている。

あえて言うなら青山商事が業界トップなので、業界トップというブランドの砂上の楼閣はあるのかも知れない。

最後に

青山商事、AOKIホールディングス、コナカの3社の中で株を買うなら、僕はAOKIホールディングスを選ぶだろう。利益成長率やファンダメンタル価値が3社の中で一番良いからだ。

けれでも、あえて買うならという程度である。紳士服業界に強い思い入れがないのであれば、他の業界の株を買った方が良いというの最終的な結論だ。

紳士服の代表であるスーツ。スーツを着ることが完全になくなる時代が来るとは思えないが、需要としては下がっていくだろう。

僕の周りでもスーツで出社ということは、だいぶ無くなってきた。

紳士服業界は厳しい業界だと思う。けれでも僕が初めてスーツを着た時、大人になったと感じた。

あの時の感動を支えるという意味でも、機会があればAOKIホールディングスなどの紳士服業界の株を買ってみたいとも思う。

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