高配当銘柄の紳士服業界3位のコナカ、この会社の株は買いなのか確認してみた

2020年11月下旬にコニカミノルタを抜いて、配当利回り（予想）トップに急遽躍り出たコナカ。高配当銘柄として、購入すべきか検討してみた。

ちなみに2021年5月時点での配当利回りランキングは6位。トップではなくなったが配当利回りは依然として高い状態である。

紳士服業界3位。東日本を中心に「紳士服のコナカ」「スーツセレクト」を運営している。株価指標しては2021年04月30日時点で、PER(予)：70.7倍、PBR(実)：0.34倍、配当利回り（予）：6.06%となっている。

アメリカの経済学者で「ウォール街のランダム・ウォーカー」の著者であるバートン・マルキールは、株式投資で成功する3つのルールとして以下のものがあると述べている。

・利益成長率が今後五年以上にわたって市場平均以上の銘柄を買うこと
・株価がファンダメンタル価値以上になっている銘柄には手を出すな
・投資家が「砂上の楼閣」を作れるようなストーリーが描ける銘柄を探そう
「ウォール街のランダム・ウォーカー」より引用

このルールに沿って、コナカの株は買いなのかを確認してみたい。

また、株式投資で成功する3つのルールの詳細については以下を参照して欲しい。3つのルールについて、詳しく知ることができるはずだ。

利益成長率

コナカのここ数年の純利益は以下の通りだ。

コナカの会社予想では、2021年09月決算から黒字になる予想をしている。だが、会社四季報の予想によると2021年09月決算は赤字の予想。黒字になるのは2022年09月決算からとなっている。

今後の利益成長率について、ここ数年は赤字続きにより予想することが大変難しい。あえて予想するなら、利益成長率は0%としておくのが良いのではと思う。

少なくとも、株式投資で成功する3つのルールの1つ「利益成長率が今後五年以上にわたって市場平均以上の銘柄を買うこと」にコナカ株が当て嵌まるとは言い難いと考えている。

小売業の全市場平均のPERは39.62倍である。

そして、小売業であるコナカの2021年09月決算（予想）の純利益は136百万円で「1株益が4.7円」。2021年04月30日時点の株価が330円で『PER(予)：70.7倍』である。

なので、株式投資で成功する3つのルールの1つ「株価がファンダメンタル価値以上になっている銘柄には手を出すな」とあるが、この条件に当て嵌まるとは言い難い。

ただ、会社四季報では2022年09月決算（予想）で黒字と想定している。どのくらいの黒字化は会社四季報を見て欲しい。もし会社四季報の予想数値に近い値となるならば、現在の株価でのPERは17～22倍くらいだと僕は考えている。

この場合、小売業の全市場平均のPERは39.62倍を下回り買い候補となる。

だが、史上最大のミューチュアル・ファンドであるマゼラン・ファンドを運用した「ピーター・リンチ」は現実的な株価として以下のことを言っている。

・今後それほど大きな成長が望めない電力株のPER…7～9倍
・失敗する可能性はあるものの今後収益が10倍以上に伸びそうな勢いのある状態の優良株のPER…10～14倍
・現時点で収益がない、または極小の状態だが今後の成功にかけている状態の急成長株のPER…14～20倍

「ピーター・リンチ」が述べた現実的な株価についての詳細については、以下を参照して欲しい。

コナカについては、僕は今後それほど大きな成長が望めない電力株にあたると思っている。

なのでピーター・リンチ」は現実的な株価からみても、コナカはファンダメンタル価値以上の銘柄であると考える。

コナカは紳士服業界3位とちょっと微妙な地位である。なので紳士服業界ならコナカと呼べるような「砂上の楼閣」を築くことは難しい。

だが、コナカは株主優待を行っている。なので株主優待銘柄としての「砂上の楼閣」は築かれるかも知れない。

ちなみにコナカは株主優待は100株以上の保有で優待割引券（20％割引）が貰える。「紳士服コナカ」、「紳士服フタタ」、「スーツセレクト」などで使うことが出来る。

紳士服のブームが来るかどうか分からない。だが、もしコナカが運営するショップがカッコいいなどと流行った場合は「砂上の楼閣」理論により株価が上がる可能性がある。

また、コナカは高配当銘柄に属している。高配当銘柄ブームが来た場合も「砂上の楼閣」理論により株価が上がる可能性があると考えている。

コナカの株について、僕は買いと判断していない。

その理由は、株式投資で成功する3つのルールうち「利益成長率」「ファンダメンタル価値」の2つが一致していないからだ。

だが、コナカが運営するショップで一年に一度は服を買う。そういう人はコナカの株を購入しても良いのはと思う。株主優待で貰える割引券で十分に元は取れるからだ。

けれどもコナカはここ数年赤字が続いている。赤字が続いている企業が株主優待を廃止・改悪することは多々ある。

コナカ株を優待目的で買った場合は、こうしたリスクがあることは留めておいたほうが良い。