個別株投資には様々なリスクが存在する。そのリスクのなかで、意外と知られていないのが「老い」だと思う。
このことは、ハイテク株などの成長株投資で有名なフィリップ・フィッシャーの投資哲学を纏めている「株式投資で普通でない利益を得る」にも記載されている。
私はすべての投資家に、自分で老いを感じるときが来たら、投資判断を下さないよう勧めたい。老いる前にやめてほしい。私はこれまで優れた投資家が老いるのを目にしてきたが、老いても優れている投資家を知らない。かつて優れていた高齢者はいるが、投資の過程は高齢と将来の能力を考えれば重要すぎるし、老いはそれまでの偉大さを凌駕して、いずれひどい破綻を招くことになる。
「株式投資で普通でない利益を得る」より引用
あのフィリップ・フィッシャーも、晩年の投資成績は散々であった(フィッシャーの場合は「老い」だけでなく病気も関係してたのかも知れない)。フィッシャーの息子も、そのことは認めている。
父が人生の終盤に勝った株はどれもうまくいかなかった。80歳か70歳でやめていれば、経済的にははるかに良い状態だったと思う。売却してインデックスファンドを買っても、それまでの保有株を死ぬまで持ち続けてもよかった。しかし、父が判断を下すたびに、資産価値は下がっていった。
「株式投資で普通でない利益を得る」より引用
個別株投資をしようと思っている人は「老い」というリスクもある、このことを認識して投資をする必要があると、僕は思う。
「老い」てしまった
僕は個別株投資を10数年続けている。この投資経験のなかで、一度大きな現金が欲しくて持ち株を整理したことがある。この結果として、現金化のために売り払った株は値上がりし保有している株は値下がりするということを味わった。
また、現金化したい理由は高金利のトルコリラを購入するためであった。
結局は、このトルコリラへの投資も大失敗となった。
多分、トルコリラを購入という決断をした時点で僕はかなり「老い」ていたのかも知れない。「老い」がなければ、こんな馬鹿な決断はしなかっただろう。
こうした経験をした僕は、これ以降は購入した株は売らないということを貫いている。「老い」てしまった僕が出来ることは、これくらいしかないからだ。
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