大きな余裕、安全域がリスクを下げる。ウォーレン・バフェットに学ぶ株式投資の基本

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世界一の株式投資家と名高いウォーレン・バフェット。彼は銘柄選びに関して、数々の名言を残している。

その名言のなかで銘柄を選ぶ上で最も基本的な言葉、それは以下のものだと僕は思う。

価値が8,300万ドルの事業を8,000万ドルで買おうとしてはいけません。大きな余裕を見ることが肝要なのです。3万ポンドの負荷に耐えると業者が主張する橋が建造されたとしても、その橋を走行するであろうトラックはせいぜい1万ポンドです。これと同じ原則が投資にもあてはまるのです。

「ウォーレン・バフェット成功の名語録」より引用

大きな余裕、安全域

ウォーレン・バフェットが述べた上記の言葉のなかで出てくる「大きな余裕」というのは安全域のことである。そして安全域とは、企業の価値よりも株価の総額が低い場合の価格と価値の差を表している。

資産価値が8,300万ドルの事業の株価総額が8,000万ドルだとするならば、安全域は300万ドルとなる。と、いった感じだ

バフェットは安全域が大きければ大きいほど、投資の失敗によって帳消しになる可能性は低くなる。また逆に安全域が小さければ、投資のリスクは大きくなると述べている。

安全域が大きい銘柄への投資

僕は大きな余裕・安全域が大きいと思う銘柄として、2020/10/28に「電源開発(9513)※通称:J-POWER」を購入した。そして、実際に購入した際の状況は以下の通りだ。

  • PBR(実):0.35倍
  • PER(予):5.7倍
  • 1,506円で100株購入

PBRは1倍を大きく下回っており、財務上は企業の資産価値(解散価値)に対して株価はかなりの割安となっており安全域が大きいと言える。

またPERもかなりの割安を示しており、大きな余裕があると言える。

特にPERについては、史上最大のミューチュアル・ファンドであるマゼラン・ファンドを運用した伝説の人物「ピーター・リンチ」が、その著書である『ピーター・リンチの株で勝つ』で、現実的な株価とPERの関係について以下のように述べている。

  • 今後それほど大きな成長が望めない電力株のPER…7~9倍
  • 失敗する可能性はあるものの今後収益が10倍以上に伸びそうな勢いのある状態の優良株のPER…10~14倍
  • 現時点で収益がない、または極小の状態だが今後の成功にかけている状態の急成長株のPER…14~20倍

ピーター・リンチは、今後それほど大きな成長が望めない電力株のような会社のPERは「7~9倍」というのが、現実的な株価であると述べている。

今回購入した「電源開発(9513)」は、今後それほど大きな成長が望めない電力株のような会社だ。その会社のPER(予):5.7倍というのは、「ピーター・リンチ」の考えからしてもかなり割安と言えるだろう。

このような安全域の大きいと思われる「電源開発(9513)」を僕は今も保有している。そして、その結果は以下の通りだ。

電源開発の株価チャート

1,506円で購入した銘柄は、現時点(2021/7/16)の株価は1,646円と約9%の評価益が出ている。

安全域の大きいと思って購入した銘柄だ。評価損ではなく評価益が出ていることは、素直に嬉しい。だが日経平均を見てみると2020年10月は23,185円、現時点(2021/7/16)で28,003円と約20%の値上がりを記録している。

安全域の大きいと思って購入した「電源開発(9513)」は、評価益がでているが日経平均の成績と比較すると大きな差がある状態であった。

安全域の大きい銘柄は、バフェットが言うように値下がりのリスクは小さいのかも知れない。だが、日経平均のような指数を上回る成績を残すのは難しい。そういうものなのだろうか?

日経平均のような指数を上回る成績を残すならば、安全域の大きさよりも「利益成長が高い」「銘柄の人気が高い」そういった要素がより必要なのかも知れない。

株式投資をはじめて10数年、その経験からどうすれば良いのか?その答えもはっきりとは出せていない。

でも、ぼんやりとだが僕は以下のような考えで株を購入しようと考えている。

『安全域の大きい銘柄で、なおかつ「利益成長が高い」「銘柄の人気が高い」という条件も当て嵌まるものを購入する』だ。

もしこのような銘柄を購入できたのなら、値下がりリスクは避けつつも日経平均のような指数を上回る成績を残すことが出来るはず。でも、そんな銘柄は無いのも知れない。けれど、そのような気持ちで株式投資に挑みたいと思う。

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