ゲーム理論から株式投資して良い巨大企業やベンチャー、中小企業を知ろう

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京都大学准教授の逢沢明さんが書いた『ゲーム理論トレーニング』に、以下の記載がある。

ゲーム理論は、普段の日常生活のいろいろな場面でも役立ちます。たとえば、次のような人には特に即効性があるでしょう。

・ビジネスの競争や裁判を有利に運ぶ「戦い方」を学びたい。
・相手を言い負かす論理や作戦を学んで「議論」に強くなりたい。
・近所付き合いやビジネスの「交渉」をうまく進めたい。
・企業との連合など「協力関係」を有利に構築したい。
・「人間関係」の指針を学び、恋愛など社会性を身につけたい。
・「生き方」の哲学として、よい人生や人間性について考えたい。
・株式売買などで損をしない「ギャンブル」の名手になりたい。
・スポーツやテレビゲームなどの「ゲーム」の名人になりたい。
・助言の才を身につけ「アドバイス」に説得力をもたせたい。

「ゲーム理論トレーニング」より引用

ゲーム理論を学ぶことで『株式売買などで損をしない「ギャンブル」の名手』になれる。で、あれば是非とも学んでおく価値はある。

「ゲーム理論トレーニング」の本にも、株に役立つ話が記載されている。今回は、この本にも記載されていた巨大企業の弱点やベンチャー企業の躍進などの話を書いてみたい。

この話を読むことで、巨大企業に投資したからといっても決して安泰でないこと。弱小と呼ばれるベンチャー企業の投資でも、大きなリターンを得るチャンスがあることが理解出来るはずだ。

巨大企業とベンチャー、中小企業

弱者が強者に勝つ。不可能を可能にするような話であるが、実際にはしばしば見られることである。

例えばコンピュータ業界の雄であるIBMは、ひと昔前はIBM製のパソコンが世界標準で圧倒的なシャアを誇っていた。だが、21世紀に入るとパソコンの世界シェアでIBMは4位となり、たったの6.2%のシェアとなってしまった。

かつて世界最大の鋼鉄メーカーであったUSスチール社は、日本の鋼鉄メーカーに敗れ去った。そして、その日本の鋼鉄メーカーも韓国や中国などのアジア勢を相手にして苦戦している。

このことから、巨大企業と言えど決して安泰な立場ではないということが分かる。。

そして「ゲーム理論トレーニング」の本でも、ベンチャーや中小企業でも巨大企業に勝てることは少し考えれば分かると述べている。

その例えとして、創立30年の巨大企業にのし上がったA社と、設立3年にすぎないB社で説明している。

A社とB社では社員の平均年齢が異なる。常識的に考えると、以下の平均年齢くらいになるだろう。

  • A社:社員の平均年齢45.8歳
  • B社:社員の平均年齢25.2歳

このくらいの開きがあれば、一人当たりの人件費が年間数百万はある。そうなると、A社に競争力はなくなる。

成熟市場の場合、特にこの問題は大きくなる。事業を拡大しつつ、若い社員を多く雇い、平均の人件費をさげていくことができないからだ。しかも、年がたつほど競争力はより低下していく。

また、Aのような老舗の巨大企業は、複雑化したピラミッド型組織となり意思決定に時間がかかってしまう。そのため、B社のように社会の変化にスピーディー対応できなくなってしまう可能性もある。

こんな中でA社が競争に勝ち抜くためには、大きく以下の3つの策が考えられる。

  • 思い切ったリストラで、事業転換を図る
  • 資本力にものをいわせて、B社との価格競争に入る
  • B社を丸ごと買収する

「思い切ったリストラで、事業転換を図る」ということは、よく行われることである。ただし、リストラで人件費を下げることに成功したけれども、事業転換がなかなか上手くいかない。これもよく見られる現象である。

「資本力にものをいわせて、B社との価格競争に入る」ということは、資本力にものをいわせて、B社との価格競争に入ることだ。ただ、体力勝負で負けてしまえばより深い傷が残るだろう。もし、勝ったとしても次の敵である新興のC社が現れ、再度体力勝負を挑まなければならないかも知れない。

「B社を丸ごと買収する」ということは、IT産業でよく見らえる手法でマイクロソフトなどがよく使われる手法である。

投資してよい企業

上記のように、巨大企業に投資したからといっても決して安泰でない。巨大企業に投資する場合は、以下に弱小企業から身を守る術を持っているのかが、投資で成功するキーとなるだろう。

このことを株式投資の神様と呼ばれる「ウォーレン・バフェット」は、以下のように述べている。

金を払って投資するに値するきわめて少数の一流企業と、長期に保有するだけの魅力のない膨大の数の二、三流企業から成っている

「マネーマスターズ列伝」より引用

バフェットによれば一流企業とは、値下げや利益の先送りを武器に競争会社が攻め込もうとしても攻め入れない大きな「濠」に守られている企業のことを指している。

バフェットは、大きな「濠」に守られている一流企業・巨大企業の例として、コカ・コーラ社を上げている。

コカ・コーラが好きな人は、コーラとよく似た商品が激安で売られていたしても、コカ・コーラとよく似た商品は買わない。値段が高くてもコカ・コーラを買うのだ。

コカ・コーラが好きな人は、コカ・コーラでしか満足出来ない。これを、バフェットはブランドと呼んでおり、まさに他の会社が値下げや利益の先送りを武器に競争会社が攻め込もうとしても攻め入れない大きな「濠」をコカ・コーラ社を持っているというのだ。

そして投資で成功するためには、こうした企業に投資すべきだと述べている。

バフェットの投資について興味がある方は、以下を参照して欲しい。

また、弱小と呼ばれるベンチャーや中小企業に投資することで、大きなリターンを得ることも出来る。

小型株志向のファンドマネージャーである「ラルフ・ワンガー」も、小企業の経営者のほうが成熟した大企業の経営者より変化にうまく対応しやすい。また、そのことが小型株の好成績の1つに繋がっていると考えていると述べている。

ラルフ・ワンガーの投資について興味がある方は、以下を参照して欲しい。

ゲーム理論を学ぶことで、強者には強者の弱点があるし、その弱点をつけば弱者でも勝つことができる。

そして、この知識は株式投資で投資してよい巨大企業やベンチャー、中小企業を判断するのにも役立つものだと考えている。

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