2022/8/24、FRBのインフレ抑制の利上げ警戒感から日経平均が5営業日連続下落中である。下げ幅としては、この5日間で約700円ほど下げている。
こういった株価の下げがある時には、「ピーター・リンチの株式投資の法則」の本に書かれている『バロンズ』の討論会の話を思い出してしまう。
実際に、私たちが経済と株式市場の先行きに最も楽観的だった年は87年で、この年は、あの有名な1000ポイントの株価急落で終わった。警戒的な発言をしたのはただ一人のパネリストがジミー・ロジャーズだった。
「ピーター・リンチの株式投資の法則」より引用
91年、私たちが座談会に集まった週に、『バロンズ』は「不安と恐怖が市場に重く暗い影を投げかけている」と述べている。そしてその後、市場が大きく急騰してダウが史上最高値をつけた。
「ピーター・リンチの株式投資の法則」より引用
株価の下げは恐怖心を生み出してしまう。でも、そういう時こそチャンスという声もある。勇気を出して株を購入してみよう。
ミズホメディー(4595)
2022/8/24に以下の株を、3,025円で100株購入。
- ミズホメディー(4595)
2015年12月に東京証券取引所JASDAQ市場に株式上場した、体外診断用医薬品メーカー。現在の市場区分「スタンダード市場」。
株価指標とチャート
購入時の株価指標は以下の通り。
- 購入時のPER(予):4.9倍、PBR(実):2.88倍、ROE(実):81.55%、配当利回り(予):6.16%
「ミズホメディー」は医薬品業に分類されており、医薬品業全体の市場平均のPERは24.5倍となっている。「ミズホメディー」の現時点のPER(予):4.9倍となっており、医薬品業全体の市場平均と比較してかなりの割安感が伺える状態となっている。
業績の状況
「ミズホメディー」の売上について、ここ5年間は年平均で約21.5%の成長となっている。また、今期の売上予想は前期比10.4%の増収となる見込みである。
当期利益については、ここ5年間は年平均で約64.9%の成長率となっている。また、今期の当期利益予想については前期比24.6%と大幅な増益となる見込みである。
当期利益の利益率について、過去5年の平均利益率は約16.7%となっている。この数値は、同業種銘柄である「タカラバイオ」と同じくらいであるが「ペプチドリーム」には及ばない数値である。
キャッシュフローについては、過去5年でフリーキャッシュフローがマイナスの年が2回あり、キャッシュフロー的にはやや安定性にかける。
利益の質
利益の質であるアクルーアル(税引き後利益-営業キャッシュフロー)の状況は、以下の通りである。
- 2020/12月決算 当期利益:874百万円 営業CF:745百万円
→アクルーアル:129百万円 - 2021/12月決算 当期利益:306百万円 営業CF:295百万円
→アクルーアル:11百万円 - 2022/12月決算 当期利益:4,816百万円 営業CF:5,596百万円
→アクルーアル:△780百万円
過去3年の状況をみるとアクルーアルがマイナスとなっている年は1回だけであった。なので「ミズホメディー」は、質の高い利益を生み出している企業と言えない。
「消費者独占型」企業を見分ける8つの基準チェック
株式投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェットは、「消費者独占型」企業を見分けることができる8つの基準があると述べている。
「ミズホメディー」が、この「消費者独占型」企業を見分けるためには8つの基準に当て嵌まるのか確認してみた。結果として「ミズホメディー」は、いくつかは「消費者独占型」企業の基準に当て嵌まることが確認できた。
だが、「消費者独占型」企業を判断すうための1番大事な基準である「消費者独占力を持つと思われる製品・サービスがあるか」については、僕自身がこの業界に詳しくないため確認することが出来なかった。
「消費者独占型」企業の4つのタイプチェック
バフェットは、「消費者独占型」企業には以下の4つのタイプに分けられると述べている。
1.長期使用や保存が難しく、強いブランド力を持ち、販売業者が扱わざるをえないような製品を作る事業
「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」より引用
2.他の企業が事業を続けていくために、持続的に使用せざるをえないコミュニケーション関連事業
3.企業や個人が日常的に使用し続けざるをえないサービスを提供する事業
4.宝石・装飾品や家具などの分野で、事実上地域独占力を持っている小売事業
残念ならが「ミズホメディー」は、この4つのタイプのどれにも当て嵌まらないと僕は考えている。
自社株買戻しの有無
バフェットは、株主になった企業に対して配当よりも自社株買戻しを行うように働きかけている。その理由は、自社株買戻しをおこなうことによって企業のEPSを増加させ、また株価が非常に高い水準の時に行われても株主にとってはメリットが大きいからだと述べている。
「ミズホメディー」の自社株買戻しの状況を確認してみたところ、ここ最近で自社株買戻しをしたことを確認することは出来なかった。
まとめ
コロナの影響で2022年決算は大幅な増収増益となっている。そのため過去決算からの期待収益率を求めてみると、ものすごい収益率となり現実離れした数値となってしまう。そのため「BPS成長率からの期待収益率」「将来の予想EPSからの期待収益率」「EPS成長率からの期待収益率」「内部留保による再投資の収益率」は、確認しないことにした。
そもそも、「ミズホメディー」はコロナの影響で大幅な増収増益となっている銘柄だ。このコロナバブルがどこまで継続するのか?できるだけ長く続いてたくさんの配当金を頂ければ、御の字の銘柄だと思う。
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