どうすればお金は溜まるのだろう?色々調べてみるとスマホの通信費、電気・ガス料金、保険、ローン、サブスクなど固定費を見直そうというものが多い。
だが、節約のために固定費を見直すぞと決めたのだが実際に行動に移す人はどれくらいいるのだろう。多分、そんなに多くはないと思う。だって、スマホや電気・ガス会社などを変更するのはそれなりに手間がかかり面倒くさいからだ。
でも、そんな面倒を乗り越えて実際に月に数千~数万円の節約出来た人もいるだろう。
そんな素晴らしい人に僕はもう1つアドバイスしたい。そのアドバイスとは「節約したお金を乗り換え元の会社に投資しろ」ということだ。
特に、乗り換えるのに非常に手間がかかったサービスを提供している会社を1番の投資先にすべきだ。
乗り換えに手間がかかるほど、多少料金が掛かろうともそのサービスを使い続ける人は多い。そんな面倒くさがり屋さんが支えるサービスを提供している会社の収益は一般的に高いことが多い。
そしてその高収益は、最終的に株主に配当や株価の値上がり益として貢献される。
面倒くさいということは、お金を余計に取られたり十分に増やしてくれるものなのだ。大人の社会というのは、甘くも辛くもある。
乗り換えコスト
他の企業より長期間高い収益を上げる企業の条件の1つとして「千年投資の公理」の本に以下の記載がある。
顧客がライバル社の製品やサービスに切り替えるのが大変なとき、その企業には乗り換えコストという観点で優位性がある。顧客がライバル社に乗り換える可能性が低ければ、企業は高い料金を課したりして高いROCを維持できる。
「千年投資の公理」より引用
「千年投資の公理」の本には、こうした企業の例として会計ソフトで有名なソフトウエア会社のインテュイット、データベースで有名なオラクルなどが紹介されている。
会計ソフトやデータベースなどを乗り換えようとした場合、データの変換や移行、周辺プログラムの修正などが発生する。もしかしたら、変換がうまくいかず業務に多大な影響を与えるかも知れない。
そうしたリスクを考えた場合、競合製品が驚異的に優れているか安くない限り乗り換えることはないだろう。
乗り換えコストという面で、企業に優勢が生まれることがあると「千年投資の公理」の本では述べられている。
サイボウズ
僕が投資している会社で乗り換えコストがかかりそうな会社を調べてみたら「サイボウズ(4776)」があった。
「サイボウズ」はグループウェアで高い国内シェアを誇る会社だ。グループウェアを別の競合企業に乗り換えようと思っても、行きつけの牛丼屋である吉野家を松屋に変更するみたいに簡単にはいかないだろう。
そういう意味で「サイボウズ」は、乗り換えコストという観点で優位性がある企業だと言える。
そのことを反映してか、僕は10年以上前に「サイボウズ」株を156円で購入したのだが、今では株価は10倍以上の値上がり益を叩き出している。
でも、よくよく「サイボウズ」の財務状況をみていると一抹の不安が湧いてくる。
「サイボウズ」の10年平均利益率をみてみると、経常利益は7.5%、当期利益に至っては4.0%の利益率である。この利益率の数字は同行他社の利益率に比べてかなり低いと言わざるを得ない。
もしかしたら、僕は「サイボウズ」を過大評価しているのかも知れない。
でも、乗り換えコストという観点で「サイボウズ」の優位性はあると思っている。その優位性がどれくらいのものか正確に評価は出来ないが、10年以上も持ち続けた株である。
優位性は結構高いんじゃないかと期待して、もう10年は持ち付けたいと思う。
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