フィリップ・フィッシャーに学ぶ、株を買う時に調べるべき15のポイントとは

株の本のイメージ(2022,23年) 株の勉強

ハイテク株などの成長株投資で有名なフィリップ・フィッシャーは、株を買う時に調べるべきポイントは以下の通りだと述べている。

ポイント1 その会社の製品やサービスには十分な市場があり、売り上げの大きな伸びが数年以上にわたって期待できるか
ポイント2 その会社の経営陣は現在魅力のある製品ラインの成長性が衰えても、引き続き製品開発や製造過程改善を行って、可能なかぎり売り上げを増やしていく決意を持っているか
ポイント3 その会社の規模と比較して効率的な研究開発を行っているか
ポイント4 その会社には平均以上の販売体制があるか
ポイント5 その会社は高い利益率を得ているか
ポイント6 その会社は利益率を維持し、向上させるために何をしているか
ポイント7 その会社の労使関係は良好か
ポイント8 その会社は幹部との良い関係を築いているか
ポイント9 その会社は経営を担う人材を育てているか
ポイント10 その会社はコスト分析と会計管理をきちんと行っているか
ポイント11 その会社には同業他社よりも優れている可能性を示唆する業界特有の要素があるか
ポイント12 その会社は長期的な利益を見据えているか
ポイント13 近い将来、その会社が成長するために株式発行による資金調達をした場合、株主の利益が希薄化されないか
ポイント14 その会社の経営陣は好調なときは投資家に会社の状況を饒舌に語るのに、問題が起こったり期待が外れたりすると無口になっていないか
ポイント15 その会社の経営陣は本当に誠実か

「株式投資で普通でない利益を得る」より抜粋

この株を買う時に調べるべき15のポイントは、企業の財務情報にはほとんど載っていない情報だ。

そのためフィッシャーは「周辺情報利用法」として、会社の経営者や役員・従業員、ライバル企業の関係者、出入り業者や顧客、大学や政府や協業企業の研究者、業界団体の幹部、会社の元社員などから上記のポイントの情報を吸い上げて投資すべき企業か判断していた。

フィッシャーが述べている株を買う時に調べるべき15のポイントは、一般的な個人投資家が簡単に用いることが出来るものではない。だからこそフィッシャーは、魅力ある企業で望ましい経営者の資質を持っている一流企業を探し出し、投資で大成功を収めることが出来たのかも知れない。

好きな企業の株を買う

株の世界でよく言われる言葉で、自分が好きな企業の株を買えというのものがある。自分が好きな企業には、魅力的な製品やサービスがたくさんあり、今後も魅力的な製品やサービスを生み出す可能性が高い企業であることが多い。

もしかしたら自分が好きな企業というのは、フィッシャーが述べている株を買う時に調べるべき15のポイントに対して、知らない内に当て嵌まっているのかも知れない。だからこそ「自分が好きな企業の株を買え」という言葉が生まれたのかと思ってしまう。

けれども「自分が好きな企業の株を買え」という言葉には、気を付けておきたいことが1つあると僕は思う。

それは株価というものは「企業の増益率ではなく増益率が投資家の期待を上回るかどうか」が焦点となるからだ。このことは世界でも有名なフィナンシャル分野の教授であるジェレミー・シーゲル博士が述べている。

また史上最大のミューチュアル・ファンドであるマゼラン・ファンドを運用した伝説の人物「ピーター・リンチ」も、以下のように同じことを述べている。

PERの高い会社は、それを正当化するだけの高い収益成長力を持っているはずである。1972年にマクドナルドは75ドルをつけ、PERは50倍だった。このような過大な期待に答えられるわけはなく、株価は75ドルから25ドルに落ち、PERも現実的な13倍に戻った。マクドナルドの業績が悪かったのではない。72年の75ドルという株価が高すぎたのである。

「ピーター・リンチの株で勝つ」より引用

誰もが知っており、好きな企業としてランキングにも入る超優良企業のマクドナルドでさえPER(株価収益率)が高すぎる状態で株を購入したのであれば、株主として報われない可能性が高くなる。

では自分が好きな企業の株を、どれくらいのPER(株価収益率)で購入するのが妥当なのだろうか?

シーゲル博士は、S&P500などの市場平均を大幅に上回る銘柄とPER(株価収益率)の関係を調べている。その結果として、こうした銘柄の多くは市場平均のPER(株価収益率)をごくわずかしか上回っていないと述べている。

現時点の日経平均のPER(株価収益率)は17.65倍である。個人的な感覚で言えば、自分の好きな企業の株をPER(株価収益率):20倍以下で買えれば、株式投資である程度満足いくリターンを生み出すことができるのではないかと僕は思う。

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