中古販売業の「ブックオフグループホールディングス」の株は買いなのか?

株の勉強

「会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方」の本のなかで、中古販売業の

  • メルカリ
  • ブックオフグループホールディングス

の貸借対照表を比較した問題がある。

そこで、前回の記事で「メルカリ」の株は買いなのかどうか調べてみた。

今回は中古販売業で、本を売るならブックオフで有名な「ブックオフグループホールディングス」の株は買いなのかどうかを調べてみた。

ブックオフグループホールディングス(9278)

本を売るならブックオフ、で有名な中古本首位ブックオフを運営する持株会社

2024/3/7日時点で、株価は1,305円。

  • 株価指標
    PER(予):16.1倍、PBR(実):1.34倍、ROE(実):15.73%、配当利回り(予):1.92%、自己資本比率:37.6%

結論から言うと、企業としての強い優位性を感じることができなかったので現時点では株を購入することないということになった。

業績の状況

「ブックオフグループホールディングス」の売上について、2021年度の決算月変更以降は年10%以上の成長率となっている。また、今期の売上予想も前期比4.1%の増収となる見込みである。

当期利益については、2021年度の決算月変更以降は大幅な増益となっている。ただ、今期の当期利益予想は前期比42.2%の大幅な減益となる見込みである。その理由は、特殊要素(グループ再編に伴う税負担軽減)の剥落によるもの。

当期利益の利益率についても、1%台とビジネス形態もあるのかも知れないが少しの危うさを感じる・・

キャッシュフローについても、フリーキャッシュフローがマイナスの年があり落ち着きが見られない。またクルーアル(税引き後利益-営業キャッシュフロー)についても、質の高い利益を生み出している会社とは言えない。

ただ配当については、2021年度の決算月変更以降は右肩上がり気味である!!

損益計算書の確認

「ブックオフグループホールディングス」について、企業の優位性はどのくらいあるのか?損益計算書を確認してみた!!

  • 売上原価は一貫して低いか?
    ここ3年の粗利率は約57~66%となっており、一貫して素晴らしい数字となっている。
  • 販売および一般管理費は一貫して低いか?研究開発費・減価償却費を多額につぎ込んでいないか?
    ここ3年の粗利における販管費の比率は96~97となっており、一貫して高い数字となっている。「人件費」「地代家賃」など、あまり削ることが出来ない費用なのかも知れない印象を受けた・・
  • 支払い利息は少ないか?
    支払利息の額は少ない。
  • 純利益は右肩上がりか?利益率は高いか?
    純利益については、特殊要素(グループ再編に伴う税負担軽減)により凸凹している印象を受ける。利益率にいても、高いとは言えない。

ブックオフで有名な企業だけども、損益計算書から企業の優位性を感じ取れなかった。でも、これから競合他社が出てくると思う業界ではないため、利益は薄いのかも知れないが安定していると言えなくもない。

貸借対照表の確認

「ブックオフグループホールディングス」について、企業の優位性はどのくらいあるのか?貸借対照表を確認してみた!!

  • 巨額の現金を備蓄しているか?
    「ブックオフグループホールディングス」の現金預金は負債と比較するとやや少ないと感じる。
  • 棚卸資産な急減はないか?
    ここ3年は棚卸資産が増加傾向である。また棚卸資産の増加ほど利益が増えていないのは、すこし気になるところではある。
  • 売上高に占める売掛金の割合は他社より低いか?
    売上高に占める売掛金の割合は、同業種銘柄の「まんだらけ」ほど低くはない。
  • 生産設備が膨らんでいないか?
    ここ3年は「ブックオフグループホールディングス」の有形固定資産は増加傾向である。設備投資のために、外部からの借入もやや多いのは少し気にある。
  • 長期借入金が少額もしくはゼロか?
    「ブックオフグループホールディングス」の長期借入金と利益を比較すると、やや借入が多い気がする。

「ブックオフグループホールディングス」の貸借対照表を確認してみると、そりほど企業の優位性を感じることは出来なかった。借入がやや多いのも少し気にはなった・・

キャッシュフロー計算書の確認

「ブックオフグループホールディングス」について、企業の優位性はどのくらいあるのか?キャッシュフロー計算書を確認してみた!!

  • 資本的支出は低いか?
    ここ3年は利益の8割くらいを資本的支出に充てている。やや高い気がする・・
  • 自社株買いを続けているか?
    2022年にやや大きめの自社株買いを実施している!!

「ブックオフグループホールディングス」のキャッシュフロー計算書を確認してみると、やや設備投資が大きかった。事業戦略や収益構造上、仕方ないことなのかも知れない。

今後の株価予想

「ブックオフグループホールディングス」のEPS成長率とBPS成長率から10年後の株価を予想してみようとしがた辞めた。理由は、2021年度の決算月変更されており過去との比較が難しいためである。

ので株価予想はしないのだが、現時点のPER・PBR的には割安でも割高でもなく妥当な株価だと認識している。

まとめ

本を売るならブックオフで有名な「ブックオフグループホールディングス」、有名な企業なので比較的優位性が高い企業だと思っていたのだが財務諸表を見る限り企業として大きな優位性は感じることは出来なかった。

それでも大きな赤字を出すこともなく、また事業特色からして競合が参入してくる心配も少ないだろう。現時点で株を買うことはないが、PER・PBRがものすごく割安な数値になったら購入を検討しても良いのではと思う。

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