「敗者のゲーム」となった株式市場

株の本のイメージ(2022,23年) 株の勉強

機関投資家は、取引所の取引の99%を占める。運用機関の数が膨大で、能力も高く、顧客のために質の高いサービスを提供するからこそ、資産運用が敗者のゲームとなったのだ。アクティブ運用の手数料などのコストや、大型取引による売却価格への影響などを差し引けば、運用期間の成績は今後も市場平均を下回るだろう。

「敗者のゲーム」より引用

投資哲学の名著として有名な「敗者のゲーム」に、プロの運用機関について以下のように述べている。

プロの運用機関の成績として、1年以上では約7割の投資信託が市場平均を下回り、10年では8割、15年では9割が市場に負けている。だが、これは決してプロの運用機関が無能ではない。運用機関が優秀だからこそ、市場に負けているのだ。

何だか哲学的な話のように聞こえるのだが、僕は「大多数の優秀なプロが存在する場所での勝負は、勝敗は平均に近づく」と理解した。

今日では株式市場も大多数の優秀なプロが占める場となっている。だからプロの運用機関の成績は市場平均になるはずだが、プロは運用コストがかかるので、その分、市場平均に負けてしまう。

優秀なプロが多く活躍するからこそ、プロは株式市場で勝てなくなり「敗者のゲーム」となった。株式市場というのは儚いものだ。

パッシブファインド、一択

幸か不幸か、僕が働いていた頃に「企業型確定拠出年金」が導入されることになった。

そのときには幾分かの株式投資についての知識があったので、「敗者のゲーム」の本にあるように投資先に選ぶのなら「アクティブ」より「パッシブ」というのが僕のなかでも常識であった。

そして僕は、実際にパッシブファンドである「Oneたわら先進国株式」という商品に投資することにした。

この選択が正しいのかどうかは、もう少し年月を置いてみないと分からない。だが、いまのところ「Oneたわら先進国株式」は、まずまずの成績を残してくれている。

今後も有能なプロの方々が、株式市場で活躍し続けて欲しい。そして、株式市場を「敗者のゲーム」という場として、あり続けて欲しい。

そうなれば、老後2千万問題も「企業型確定拠出年金」だけで易々とクリアできるだろう。やはり、株式市場というのは面白くもあり、儚くもあると感じてしまう。

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