株式投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェットは、株主になった企業に対して配当よりも自社株買戻しを行うように働きかけている。その理由は、以下の通りだ。
A社が同じ資金を自社株買戻しでなく、配当として支払ったらどうなるだろうか。この場合には、バフェットは配当に対して30%の税金を支払わなければならないのだ。その資金でA社の株式を買い増そうとしても、実際には30%目減りしていることになる。それが自社株買戻しの場合には、バフェットは税金を支払うことなく、A社に対する持ち株比率を上昇させることができるのだ。
「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」より引用
バフェットは自社株買戻しについて、自社株買戻しをおこなうことによって企業のEPSを増加させ、また株価が非常に高い水準の時に行われても株主にとってはメリットがあると述べている。
ソフトバンク(9434)
僕の持ち株の中で自社株買戻しを積極的におこなっている企業を探してみたら、2018年12月に上場を果たした「ソフトバンク」があった。自社株買戻しを行っている企業の株価がどのようになっているのか確認するためにも、「ソフトバンク」株の現状と今後を確認してみたい。
「ソフトバンク」株の現時点(2022/2/9)の株価は1,451円で、僕は2020年10月に1,213円で100株購入した。評価益は20%で、年平均で9%の儲けを生み出しており、現時点ではまずまずの成績となっている。
この「ソフトバンク」株について、以下の予想から10年後の株価状況を確認してみたい。
・将来の株主資本(BPS)からの収益率
・将来の1株当たりの利益(EPS)からの収益率
・1株当たりの利益(EPS)成長率からの収益率
将来の株主資本(BPS)からの収益率
将来の株主資本(BPS)を予想した場合、僕はソフトバンクの10年後のBPSを「2,082.69円」としている。「2,082.69円」を株価と想定すると、僕はソフトバンクの10年後の評価益(配当金除く)は44%で、年平均で4%の儲けを生み出すと考えている。
・2018/03決算のBPS:152.2円
・2021/03決算のBPS:321.4円
→上記のBPSから年平均:21%の成長すると想定し、10年後のBPSを「2,082.69円」と予想。
将来の1株当たりの利益(EPS)からの収益率
将来の1株当たりの利益(EPS)を予想した場合、僕はソフトバンクの10年後のEPSは「227.38円」としている。そしてPER:14倍(過去3年の平均)とした場合、10年後のソフトバンクの株価は「3,183.25円」となる。
ので僕はソフトバンク10年後の評価益(配当金除く)は119%で、年平均で8%の儲けを生み出すと考えている。ちなみに配当金は10年間で1株あたり「1,457.55円」貰える想定(税金除く)としている。
・過去3年のEPSとBPSからROE算出
→ROE:38%で成長する想定
・過去3年の配当比率から内部留保比率を算出
→内部留保比率:6%で、今後10年間はBTSが6%成長すると想定
・過去3年間の平均PERと10年後のEPSから株価を算出
→平均PER:14倍、10年後のEPS:227.38円で株価は「3,183.25円」と想定
1株当たりの利益(EPS)成長率からの収益率
1株当たりの利益(EPS)成長率を予想した場合、僕はソフトバンクの10年後のEPSは「161.58円」としている。そしてPER:14倍(過去3年の平均)とした場合、10年後のソフトバンクの株価は「2,262.13円」となる。
ので僕はソフトバンク10年後の評価益(配当金除く)は56%で、年平均で5%の儲けを生み出すと考えている。
・2018/03決算のEPS:87.9円
・2021/03決算のEPS:104.6円
→上記のEPSから年平均:4%の成長すると想定し、10年後のEPSを「161.58円」と予想。
・過去3年間の平均PERと10年後のEPSから株価を算出
→平均PER:14倍、10年後のEPS:161.58円で株価は「2,262.13円」と想定
まとめ
積極的に自社株買いしている「ソフトバンク」、この「ソフトバンク」の将来を株価を予想してみると、10年後の株価はそれほどの伸びないと想定された。
「ソフトバンク」株を購入する前にちゃんと確認しておくべきだったと、今更ながら後悔している。が、せっかく購入した銘柄である。自分が想定した10年後の予想と、現実がどうなっているのか確認するためにも、積極的に自社株買いを行っている企業の株価はどうなるのかを確認するためにも、最低でも10年間は「ソフトバンク」株を持ち続けたいと思う。
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