つい先日、京都競馬場に行ってきた。京都競馬場は、総工費880億円をかけて2023年4月にリニューアルオープンされた競馬場だ。
京都競馬場に言った感想は・・・めっちゃ儲かってんじゃない!!だった。
だって、人は多いし、パンフレットは立派で無料だし、なにより買った馬券は全部マイナスだったからだ。
競馬関連って意外とウハウハなんじゃないということで、競馬に関連した銘柄を調べてみることにした。そして調べてみた結果、以下の3つの銘柄を見つけた。どれもド直球ではないかも知れないけども・・
- 東京都競馬(9672)
- 日本BS放送(9414)
- MIXI(2121)
まずは、3つの中で1番競馬の関連が強い言える東京都競馬(9672)について株は買いなのかどうかを確認してみた。
東京都競馬(9672)
大井競馬場などを所有する公営競技施設、不動産施設の賃貸会社。2024/2/28日時点で、株価は4,225円。
- 株価指標
PER(予):13.4倍、PBR(実):1.34倍、ROE(実):10.12%、配当利回り(予):2.25%、自己資本比率:74.9%
結論から言うと、今の株価では年平均15%の利益を狙うのは難しいと判断している。株価が3,600円になったら勝負しても良いのでは・・と思う!!
業績の状況
「東京都競馬」の売上について、ここ10年間は年平均で約8.8%の成長率となっている。また、今期の売上予想は前期比6.7%の増収となる見込みである。
当期利益については、ここ10年間は年平均で約18.0%の成長率となっている。また、今期の当期利益予想は前期比2.6%の増益となる見込みである。
当期利益の利益率について、過去10年の平均利益率は約19.5%である。この数字は、「日本BS放送(9414)」「MIXI(2121)」と比較しても高い数字である。
キャッシュフローについては、過去にフリーキャッシュフローがマイナスの年が何度もあり、キャッシュフロー的には少し安定感に欠ける。ただ利益の質であるアクルーアル(税引き後利益-営業キャッシュフロー)を見ると、質の高い利益を生み出している会社と言える。
配当については、右肩上がりとなっている。
貸借対照表の確認
「東京都競馬」について、企業の優位性はどのくらいあるのか?貸借対照表を確認してみた!!
- 巨額の現金を備蓄しているか?
「東京都競馬」の現金預金は2014年から増加(年平均:10.7%成長)しており、またその額も流動性資産の半分を占めており十分な現金を持っていると認識している。ただ、右肩上がりに一貫して増えていないのは懸念点である。 - 棚卸資産な急減はないか?
ここ10年で棚卸資産の急減はとくに見られない。そもそも棚卸資産自体が無視しても問題ないくらい微小な数字である。 - 売上高に占める売掛金の割合は他社より低いか?
売上高に占める売掛金の割合は、ほぼ1%を切っている。業態もあるのだろうが、この数字はかなり低い数字だと認識している。 - 生産設備が膨らんでいないか?
「東京都競馬」の有形固定資産は、ここ10年で年平均:3.4%の増加となっている。思ったより膨らんではいないが、京都競馬場のようにリニューアルとなったらウン百億となるはず・・ - 長期借入金が少額もしくはゼロか?
「東京都競馬」の長期借入金は少なく、ここ10年で最大の借入をした際でも純利益の約2年いないで返済できる額である。 - 内部留保は増加しているか?
「東京都競馬」の利益剰余金は、毎年着実に増えている(年平均:7.6%の増加)。
貸借対照表を見る限り、「東京都競馬」はある程度の永続的競争優位性をもっていると僕は判断している。今のところ大きな借り入れもなく、十分な利益を上げている。配当が右肩上がりになるのも納得がいくところである!!
損益計算書の確認
「東京都競馬」について、企業の優位性はどのくらいあるのか?損益計算書を確認してみた!!
- 売上原価は一貫して低いか?
ここ数年は粗利率が40%を超えているが、低い時は32%との時もあった。それでもここ一貫して32~45%の粗利率となっている。 - 販売および一般管理費は一貫して低いか?研究開発費・減価償却費を多額につぎ込んでいないか?
過去10年の粗利における販管費の比率は11~24%で収まっている。また研究開発費はなく、減価償却費も非常に少ない。 - 支払い利息は少ないか?
営業利益に占める支払い支払利息の比率はかなり低い。 - 純利益は右肩上がりか?利益率は高いか?
過去10年の「東京都競馬」の純利益は右肩上がり(年平均:18.0%成長)で、利益率は19.5%である。
損益計算書を見る限り、「東京都競馬」は永続的競争優位性が高い企業だと僕は判断している。特に利益成長率や利益率の高さは素晴らしいと思う!!
キャッシュフロー計算書の確認
「東京都競馬」について、企業の優位性はどのくらいあるのか?キャッシュフロー計算書を確認してみた!!
- 資本的支出は低いか?
過去10年の「固定資産取得による支出」の総額と「当期利益」の総額を見てみると、当期利益の100%を超える額を資本的支出に充てている。「東京都競馬」は、バフェット流で言ってしまうと1ドル稼ぐのに1ドル以上投資していることになってしまう。 - 自社株買いを続けているか?
過去10年で毎年、少額ながら自社株買いを続けている。(※2022/12月決算期のみ多額の自社株買い実施)
キャッシュフロー計算書見る限り、資本的支出の高さがどうしても引っ掛かってしまう!!
今後の株価予想
「東京都競馬」のEPS成長率から10年後の株価を予想してみた
- 10年後の株価:14,688円
(過去5年の業績からEPS成長率:13.4%、PER(過去2年間の平均):13.6倍の想定で算出)
また、「東京都競馬」のBPS成長率から10年後の株価を予想してみた。
- 10年後の株価:7,155円
(過去5年の業績からBPS成長率:6.5%、PBR:1.2倍の想定で算出)
年平均15%の利益を狙うのであれば、
- EPS成長率の想定:3,631円
- BPS成長率の想定:1,768円
の株価で購入すればよい計算となる。
現時点の株価は4,225円なので、年平均15%の利益を狙うには少し厳しい価格となっている。
まとめ
「東京都競馬」は、ある程度の永続的競争優位性がみられる企業だと判断している。ただ利益を稼ぐための設備投資などの資本的支出がやや高く、この数字をさげることが出来ればより投資したいと思える企業だと感じる。
それを踏まえたうえで投資をするのなら、株価は3,600円・・出来れば3,200円くらいが妥当なのか・・そんな感じの判断をしている!!
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